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レビュー一覧

化け猫かたって候

5点 4.6 237件
  • 4点 5
    142
  • 4点 4
    55
  • 4点 3
    14
  • 4点 2
    4
  • 4点 1
    0
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  • 2020-04-10
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    作者買い。うわー、すっごいのが来た!久しぶりに号泣。前作も好き、デビュー作も好き、どれも好きなんですが、もしかすると本作が一番に躍り出るかもしれない。化け猫講談師と社畜の異種婚姻譚、この妖しい雰囲気はまさに作者様の真骨頂。「物語をおもしろいと思えるって生きてる証だと思った」というような台詞にはどきっと。心に余裕があると楽しめる、という矢印が普通でしょうけど、彼らの場合お互いに一瞬で惹かれるものがあり、瞬間的に生き返ったことで楽しめている、そしてそれが心の余裕につながるんですもんね。たしかに異種ならではの寿命の差への恐怖が物語の鍵ではありますが、むしろメインは今までとこれからの二人の物語だと思えます。これに関する作者様のあとがきも響くものがありました。描き下ろしが初夜についてだったので、これまでの話が台無しにならないといいなとちょっとドキドキしましたが、なんの。めっちゃ神がかって素敵な初夜でした(笑)。

  • 2020-04-10
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    驚いた、、、なんて素晴らしいお話しなんだろう。我が家にお猫様にいるからフィルターかもしれないけど。それにしたってものすごい熱量。初めての作家さんでここまで鷲掴みにされたの久し振り。お話しは流行りの人外(異種間)ですが、お互いの差を寿命という摂理になぞらえているためかやたら説得力を感じました。とはいえハピエン信者からしたらあのラストは賛否両論かもしれないな。いやでもそれを含めてとてつもないセンスのある作家さんだと思う。終始受け子くんを”雀”と呼んでるのがなんかもうたまらないくらい良いし、あやかしらしく達観してるようで脇はやけに人間臭い攻め様も好評価。作中の何気ない言葉遊びや、セリフもお洒落。なにより周りを固める他の化け猫さんたちが、個性がありながら出しゃばらないのがより良い。えちー好きの人でも絶対読み応え感じると思う。途中、これほんとに終われるのって何度もページ数確認しちゃった。正直初見では受け子くんの攻め様に対する気持ちがコトって変わるタイミングが分からなかったけど、それは即物的な私に問題があるのだろう。きっとこれから何度も読み返すうちに掴めるはず。というか、この作家さんのセンスを理解できる読者になりたいと思えるほどの名作に出会えました。余談ですが、読了後たまらない気持ちになって睡眠中のお猫様に抱きついてしまいました。寿命かぁ、寿命。私がきちんと看取るから、摂理から外れないで是非とも来世でまた出会って欲しい。

  • 2020-04-30
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    本当に良いお話でした。仕事で疲れきっていた所この作品に出会い、まさに引き寄せられたというか、読むべきだと自然がそうさせたのかと思いました。読者に結末の選択肢を与えている作品だなと感じましたね、この作品はまるで映画が頭の中に流れているような感じがして、登場人物たちが皆『生きて』ました。とても素敵な作品です。これぞ物語か。

  • ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    心理描写が丁寧で、登場人物(猫)も魅力的でした。物語の運び方も無理がなく、凄く読みやすかったです。読後感も良かった!星5つじゃ足りないわ!

  • 2020-04-11
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    この作家さんは、ちょっと切ない読後感が良くて作家買いしてます。しかしながら、完全に心を掴まれるまで至ってません。今回も、草太のちょっとズレたツッコミにほのぼのしたり、「生きる」事の苦しさを垣間見ながらも、草太が喜八に惹かれる心理描写が何か足りないと感じてしまうのです。これも「相性」ってヤツなんですかね?でも、草太がご飯を食べるシーンや猫姿でじゃれ合うシーンはじわりと来ました。あとがきにもありましたが、二人の本当の物語はこれからなんです。やがて訪れる「別れ」に堪えるまで、二人の幸福な時間を想像する事ができます。あと、おまけで「初夜」がありましたが、自分がBLに求めるエロはこれ!って感じです。

  • 2020-04-11
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    いやいや、これまたすごい作品を描かれましたね。前作もめちゃくちゃ良かったけど、本作はストーリー的にも絵的にもそれを越えてきたように思います。人間と化け猫という異種の主人公たちですが、異種間であるがための恐ろしい気持ち、切ない気持ちだけでなく、人間同士と同様に人を愛する気持ちも丁寧に描かれていて、読んでいて何度も目頭が熱くなってしまいました。また、今回は「音」がより効果的に使われていたように思います。張り扇、電車、水滴…要所要所でそれらの音にハッとさせられました。漫画を映像として考えて描いてらっしゃるのかしら?なんて思っちゃいました。すごいなあ…。それから、布団から花びらが舞い散るシーン、素敵すぎて思わず溜め息出ちゃいました。はー、まだまだ作者は進化途中なんですよね。本当に出る作品出る作品が楽しみで仕方がないです。めちゃくちゃ応援しています。

  • 2020-10-07
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    いわゆるBLのあまあま感やいちゃいちゃ感はないけれど,疲れた心の隙間を埋める優しさがあふれています。ケモミミ苦手だけれども,好きな作家さんなので読んでみました。他の作品もそうですが,この作家さんは,カメラフレームで捉えた一瞬の風景からのストーリー構成力,しかも優しい方向へ導く仕上げ方が秀逸だと思います。今回は「電車に飛ぶ込む死淵」を掬い取っているように感じました。「物語」は誰かの助けにもなるけど,だれかを置き去りにもするっていう,やるせなさを見せながらも,化け猫や妖を絡ませて,優しく見守る思考へ導いてくれていると思います。あとがきに心がつかまれて☆5。作品中の講談「鍋島猫騒動」が聞きたくなった。

  • 2020-04-11
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    電子化を待っていました。本当にいい作品でした!ストーリーの流れにリズム感があってあっという間に引き込まれます。この作家さんのお話は音が聞こえてきたり、花の匂いがしてきたりしそうですね。臨場感があるというか…是非読んでいただきたい作品です。普段は省略するんですが、思わず厚焼き玉子に大根おろしを添えてしまいました。

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    作者買いです。相変わらずというか流石というか、この作者さんの世界観がすごい!毎回有無を言わせない。圧巻。

  • 2021-04-05
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    ☆4.5 「物語」を語り続ける者と絶とうとした者の邂逅。何処かを照らせば何処かに影が生まれる…「物語」の光と闇をテーマにした化け猫×子雀の魂の救済物語です。評価の決め手は、喜八と「鍋島」の関係性。冒頭の語りから、それは喜八の「物語」であることが分かります。彼にとっては一種の供養であり、身の内の「化け」に飲み込まれない為の念誦なのではないかと。魂においては、喜八の方が危機に瀕していたように思います。花嫁道中は『君には…』の神事を想起する素敵な百鬼夜行でした。猫も化け猫姿も素晴らしい。ただ4つ耳が苦手で…やっぱり没入できなかったのが残念。でも、4つ耳を理由に読まないのは勿体ないと思う作品です。