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本作は読者を選びます。夏国の無彊という人が永遠の命を求めて江水の源流を尋ねる　という物語。でも表紙絵に見られる器具は長江文明の著名な遺物　ということで時代設定の推測を強いる構成です。しかも無彊は「万寿無疆」の成句からとられたというディレッタンティズムが…ついでながら相棒役の眉寿も長命の意。このディレッタンティズムにニヤリとする方のみが選ばれた読者なのです。でもそんなトリビア教養を無視しても起伏に富んだ物語は永遠の命の謎が解明した際にはセンスオブワンダー【ＳＦの醍醐味とも言われるワクワク感】に満たされていきます。