レビュー一覧

『華麗なるシチリア』シリーズの4作目です。このシリーズは1作目『恋する個人秘書』を真原ゆう先生がコミック化されていますが、それに続くコミック化作品です。コミック版の内容ですが、話の方はほぼ原作通りです。ヒロインが原作同様ひたすら毅然としていてカッコいいですし、それでいて人として弱い所もちゃんとあって、そういう点も含めて魅力的な人でした。ヒーローも原作同様出自もあって愛を求めていながら愛を否定する面倒くさいキャラでしたが、最後に引き返せて良かった良かった。ただ、コミック版は作中に出てくるルカとジオが台詞は原作通りなのに何か原作以上に感じが悪かったです。ルカは2作目『盗まれたキスの顛末』、ジオは3作目『憎まれても君が欲しくて』でそれぞれヒーロー役を務めていますが、こちらでは感じの悪い人たちではなかったのですがねえ。特にジオと会う場面は『憎まれても君が欲しくて』でも同一場面がありましたが、こちらではジオの方はもっと相手に好意的に接していたのですが、コミック版だと印象が大分違います。

復讐が原動力かのように振る舞うヒーローに対し、ありったけの愛情を伝えようと努力するヒロイン。はやさかあみい先生の華やかなタッチはイタリアにピッタリですけど、二人の葛藤する様子からエンディングまでページ数が足りていない気がしました。

ヒーローが復讐復讐と言う割に、あっさり諦めて終わってしまいました。途中までこれから何が起きるのか、ドキドキしましたが何もなく、気持ちが萎んでハイお終いって感じでした。うーん、もう少し話に山場が欲しかった…

このヒーローがどうにも好きになれませんでした。ヒロインは辛いことを背負って健気に生きてきたのに。結局はヒロインに甘えて諭され、ヒロインが居なきゃダメなひーろーですね。

シリーズなのかな。それにしても1話が短い。慌てて終わりすぎ。尻切れトンボです。

うーん…いまいち。ヒーローが自省して復讐を辞めるのはまあいいんだ。そこから後が拍子抜けするくらい短い。感情を育てる時間がなかった。作中のセリフを借りるなら「チャンスを与えなかった」という奴なのよ…。自省した後で、ヒロインと再会する前に、異母兄弟との会話シーンあっても良かったと思うよ。シリーズの一つですが、単品でいけることはいけると思います。でもヒーローの異母兄弟に対する感想はシリーズを既読かどうかで変わってくるかと。これしか読んでない身には「これは庶子を見る嫡子の目！お貴族様だわ！冷血だわ！」と感じられました。

自分勝手なアンジェロは本当に腹が立つ！妊娠して男が逃げたら田舎では暮らせない位噂になりそうなのに、知らなかったって開き直る奴は強いわね！ルチアは惚れた弱みで許しちゃうし！ルチアに捨てられたら自分に何も残らないって自覚して、やっと復讐を止めたわ！恨んでも仕方ないってルチアが教えてくれたわね！

ある日突然、ルチアの前に昔愛した人アンジェロがホテルのCEAとして現れる。彼女には彼には言えない哀しい残酷な過去を秘めていた。何も知らないアンジェロは、ホテルで働いているルチアを誘うが…2人の間には深い言い難い哀しみがあり中々乗り換えられずにもがき苦しむ。ハーレークインらしいハッピーエンドな感じではなく心に響く何かがある話でした。思っていたラストとは違うちょっと物足りない感満載です。

真実の愛に気がつく2人を見守りながら読みました。

ものすごく重いストーリーです。読んでいてヒーローに対して嫌悪感が湧きましたが、ヒロインに諭され本当に必要なものが何か達観出来たので報われました。ヒロインの強い愛に感謝ですね。