レビュー一覧

月村奎先生の昔の作品。人気俳優×小説家。ネガティブでツンで見栄っ張りな受けを、ポジティブで大らかな攻めが包容力で受け止めます。そんな攻めも幼い頃から、出生の複雑さで辛い思いをしてます。人の痛みがわかる人間は、痛みを知っている人…そんな一文が物語の中に出て来ます。そうそう！攻めの大志の優しさも強さもそういうことなんだね、と納得。痛みを抱えて、人は生きている…なんでも出来るように見えるあの人もあの人も…きっと見えないところで、コンプレックスと闘って生きてるんだよね、と思った。しりとりをしながらのHシーンが可愛すぎ。「る」「ぬ」止めで攻められたら（笑）

ちょっといつもと感じが違うかな？とは思いつつ買うのを迷った自分を反省しました。安定のおもしろさです。喫茶店のお姉さんがなかなか魅力的であり得ないけど惚れたりしないかなとか逆の伏線でした。責任を負わされちゃいます。確かに、見栄っ張りなところがたまらなく魅力的な小説家です

自己評価が低すぎて卑屈が歩いているような一夜と、ポジティブさを全身から溢れさせている大志。磁石のプラスとマイナスが惹かれあうのは定番。しかし、一夜には常に自分を振り回す仕事の相棒がおり、大志には複雑な家庭環境があって、簡単には結びつかない。一夜のグダグダ話を大志が受け止め、大志を貶めようとする身内に一夜は怒りを爆発させる。2人がお互いの成長に力を貸す数々のエピソードが胸に沁みます。是非。

芸能人がでてくるお話ですが、いい意味で、派手さがなく、ほのぼのとしていて、おもしろかったです。

月村先生の作品は、好きです。登場人物が優しいところとか、天真爛漫で物怖じしないとことか、気持ちよく読めます。今後も楽しみにしています。