レビュー一覧

ジリアン・ハート原作『謀反人の娘』以来のサクヤ先生による中世ヒストリカル物のコミック化作品です。『謀反人の娘』は1280年、エドワード1世時代のイングランドが舞台でしたが、今作はそのエドワード1世やその息子エドワード2世(原作は1308年8月から話が始まっているので、作中で言及されているイングランド王は2世です)と戦ったロバート・ザ・ブルース(ロバート1世)時代のスコットランドが舞台です。またロバート1世以外にもヒロイン父ジョン・マクドゥーガルなど実在の人物が複数(コミック版はこの2人しか出ませんが)出てくる話です。話の内容ですが、尺の都合もあり原作に比べかなり話が削られていますし、改変もされています。一番目に付く改変は原作では悪役だったジョン・マクドゥーガルがコミック版では悪役ではない上に出番も少なかったことです。史実の彼が原作で書かれているような残忍冷酷な人だったのかどうかは知りませんが、この人、モニカ・マッカーティ作『ハイランドの仇に心盗まれて』でも悪役設定なんですよねえ。コミック版の悪役は原作でも人殺しが大好きなサディストの悪役設定でしたが、原作ではあくまでジョン・マクドゥーガルのパシリに過ぎなかったので、ちょっと物足りなかったです。ただ原作ではもっとあっけない死に方だったので、そこはコミック版の方が良かったです。あと原作では最後にヒーローの出生に係るどんでん返し展開があるのですが、コミック版はそれもカットされています。興味ある方は原作も是非お読みください。原作ではロバート1世臣下で有名なジェイムズ・ダグラスも後半出てきます。

ストーリーに物足りなさを感じる。原作が気になる。

むかしむかし原作読んだけれど、だいぶいい話に変えられていましたね。原作ではいとこの悪巧みは、全部お父さんが手を回しててヒロインもお父さんに必死に気に入られたくて打たれたり罵られたりでひでぇ親父だったきがします。そして、ヒロインが横流しした情報でだれか死んでしまうんですよね、本当は。とにかく原則読んだ後、ヒロインがムカついて仕方がなかったのですが、漫画は綺麗にめでたしめでたしでしたので、よかった。。。。

最後の駆け足が少し気になります、いとこのやってた事も一回読むだけでは？が残りました。私の読解力が弱いだけかもですが。全体的には、ヒロインが何を守るのか、目の前にまっすぐ立ち向かう姿が素敵でした。

ヒーローがとても器が大きく優しく、敵同士の結婚ですが愛してしまうのもわかります。スコットランドとイングランドの争い、多くの血が流れていつの時代も人間は愚かですね。

人相の悪さから、ロバート王がもの凄い悪党でヒロインを無理矢理自分の物にしようとしたり、ヒーローを裏切って殺そうとしたりするんだと思ってしまいました。でも、そんなことなかった。ヒロインが可憐で強くて一途な人なので素敵でした。強くて優しいヒーローにピッタリですね。

作者さん買いでした。絵が、とてもキレイですよね。ストーリーも、家族を愛するがゆえの、つらい立場と、憎しみが、伝わってきて、良かったです。

中世物は大好きです。このお話も裏切りません。小説よりはヒーローが優しい感じがするけど、ヒロインの葛藤は解ります。読んで損はナシ！

ヒストリカルなお話です。ヒロインが窮地に陥るけどヒーローが救い。

ヒーローはヒロインに一目惚れで溺愛ですね。ヒロインのために手を尽くしてくれて、幼い弟妹を連れ戻してくれるなんて。最初ヒロインは敵との結婚を辛く思ってたけど、ヒーローを信じるように。お互いを思いやる姿は素敵でした。