レビュー一覧

今年新装版が出ると聞いていたのですが、電子配信されてたの知らなくて慌ててポチリ。虚脱感を感じるほどの衝撃作が穏やかに生まれ変わりましたね。いやーこれ、2008年のなんですが、多分当時から読んでた方は、後日談、複雑だろうなと思います。元がやっぱりあの時代にしか描けないものでしたし、作者様ご自身も読後感を大切にされたとおっしゃってるくらい、あれが完成形でしたし。私はもうドラッグまみれのこんなBLは描かれなくなった時代の読者なので、あれはあれでもちろん素晴らしかったし唯一無二と思いますが、この後日談も好きです。それぞれにトシミツの記憶を持ちながら二人の時間を重ねていく彼らは、自由の象徴トシミツよりはるかに人間らしく、それと同時に二人の間で生き続けるトシミツにも尊厳を感じられ。去年のはらださんのセルフリメイクのときにも感じたことなんですが、完全に別の話になっていてもどちらにもそれなりの良さがあって、どちらを読みたいかは人それぞれの作品なんですよね。いずれにせよ、長い時を経て後日談を描いていただいた作者様には感謝の気持ちでいっぱいです。

先ずカバーに惹かれました。読み終わってこれが10年前の作品と知りビックリ。現在との違和感、全くありません。最初はイッキとトシミツの話かと思いきや、ロンとイッキになって、トシミツとロンになって循環していきますが、3人のろくでもなかった生き方がほんの少し救われるお話です。描きおろしでハピエン完結という感じですかね。画も非常に好み。ワイルドなのに繊細で描写力があります。ストーリーはちょっと小難しいと感じるかもしれないし、作中はクスリの話が大半ですので、地雷の方はご注意を。でも、ヒューマンドラマが好きな方にはオススメです。

圧倒的な画力で、凄いワールド見てしまいました。トデモナイ自由なトシミツとイッキ、龍、トシミツの死で、一気に話がすすんでいきます。もーー涙止まらない。

一昔前の作品の新装版のようですがレビューを読むと多くのファンがいそうなこの作品、読んでみたらストーリー重視で絵も上手なので高評価も納得です。荒れた世界とピュアな心のギャップが上手に表現されていたように思います。ただ私は歳のせいか退廃的なトシミツを自由の象徴としてしまう辺りが危うくてちょっとモヤっとしました。薬中とか亡き人を長々と懐古する話しはちょっと苦手なので。。吐露できず繰り返す後悔の念。幸運にも分かち合える相手を見つける事ができ前に進んで行くあたり、絵柄が似ている為か少女漫画の『潔く柔く』を彷彿とさせられるものがありました。巻末の続編は絵柄がソフトになっていてストーリーも甘くて今っぽい気がしました。

至高の名作「エンドレスワールド」が新装版になるとは！しかも光に包まれての昇天さながら、幸せな空気をまとって。

ここまで読者に投げかけてくる作品も珍しいです。特にトリップのシーンは本当に説明的な台詞が一切無い。このわけのわからなさがドラッグの恐ろしさとトシミツの神秘性を際立たせています。BLでよくこの内容でOKが出たなと感心します。旧版の発表から十年以上が経過していますが、未だ唯一無二の傑作といえるでしょう。是非たくさんの人に読んでもらいたいです。

これなんでレビュー少ないんだろう？10年以上前の作品なのに全く色あせないのが凄すぎる。最早BLの域を超えてる気がする。BLの括りではなく、漫画として大好きです。同じ作者さんのB×P ANXも好きー。

なんか凄い感動した。上品な恋愛でも、非現実的な恋愛でも出会いでもないイッキとトシミツ、トシミツと龍、龍とイッキ。トシミツは自由で不自由な人間臭い。別の作品でのレビューでこの作者さんの絵どからこそエロがあって成り立つ的なものを読んだ事があります。確かにな、と思いました。新装版でのイッキと龍、そして周りの関係性がとてもキレイで、茶子の捉え方は人それぞれだと思いますが、どこまでも恋しく思わせるトシミツは本当に人間臭い、抱きしめたくなるキャラでした。

自由な人だねでもそれもそれぞれの生き方だからね

以前表紙にすごく惹かれて速攻でサンプル読んだんですけど峰山さん出てきた瞬間に「え！まさかこの雄臭プンプンのおじさまとの恋物語！？！」と勘違いしてしまいあらすじも読まずにそっと閉じたんですが、今回またたまたま出てきたのであらすじを読んでみたら、どうやらトシミツという男との話らしいと気付いて購入。3人の男の過去と現在が絡み合いトシミツとの思い出を共有しながら生きていく二人。こういうBLは読んだことがなかったので不思議な感覚と共にドカーン！という衝撃。絵で伝えてくるタイプの漫画大好きなのでトリップしてるシーンとかめっちゃかっこいいなすげえなって思いました。所々ピッチやポケベル打ちという知らない単語やガラケーなど自分の時代とは重ならないものが出てきて、あれ？これってもしかして結構前の話？と気づいて調べたら2008年。とっても驚きました。自分がちっさかった頃にこんな漫画がこの世にあったのか...なんか凄いな...今13年の時を経て自分が読んでる！なんかすげえ！と謎の感動もありました（笑）あと私は後日談が読めて良かったなと思えました。作者さんも当時の読者の方には後日談は不要の方もいらっしゃるかもと仰ってましたが、私はその後の二人の生活を見ることができて自分の中で納得できたというか安心出来ました。だから私はあの話が読めて良かった。なんなら全然二人のこれからの生活を見たいとも思うけど、きっとそれは無さそうな感じ。だから何度も何度も読み返すと思います。