レビュー一覧

原作ではヒーローとクレアに直接の面識がなかったのでヒロインが当初クレアになりすます話(なおヒーローは既に調査済みで最初からバレバレだった)がありましたが、コミック版は尺の都合かそのあたりはばっさりカットされています。コミック版はそれ以外は大まかなあらすじは原作通りなんですが、原作に比べると『美女と野獣』要素もゴシックホラー要素も薄くなっていますし、原作では悪役だったシモーヌのキャラが微妙に違うので読後の印象がかなり別物です。コミック版シモーヌの言動は原作に比べるとかなり支離滅裂なんですが、それも彼女が無理に悪役を演じようとしたからだと思えば納得出来なくもないですし、シモーヌは原作でも作者のせいで無理に悪役を演じさせられた感じがあったので、改変されて良かったのかな、とは思えました。あと、原作より主人公たちの恋愛話がちゃんと描かれていた所も良かったです。他のキャラだと原作では今一つ可愛げがなかったフィリップ君がちゃんと可愛らしく描かれていた所も良かったですし、アランも原作ほど印象的ではなかったけどコミック版でも結構美味しい役どころで読んでいてほっこり出来ました。

原作がついていても山口美由紀先生の世界観がしっかり出ていて、やっぱり素敵でした。本当に隅々まで綺麗で、読んでいてうっとり。敵役？？なはずのシモーヌがいい女で、読後感はシモーヌいい女じゃないか…！！と全部そこに持っていかれてしまいました。シモーヌが幸せになる話が読みたい。

ヒロインからライバルまで、出てくる人達の性格がとても好きです。ハッピーエンドになってくれて良かった。

うーん。山口先生の絵が好きで読んでみましたが、内容が良くつかめなかったです。元婚約者の女性が、ヒーローの気を引きたくてヒーローの弟と関係を持ったってのもよくわからない話でした。そんな事したら別れ話になるのは、想像できるかと。また、ヒーローの真意もすごく分かりづらい。元婚約者をどれくらい好きだったのか。傷ついて心を閉ざした原因の一つなら、割と好きだったんですよね。それから、ヒロインをいつから好きになってどれくらい大切に思っているのか分かりにくいヒーローでした。

可愛いなあ。ほのぼのとしたストーリーで、途中、ヒール役かと思われた方も、実は、、、良かったです。

　山口先生のマンガが読めるのは嬉しい！　　相変わらずキレイなふんわりとした画面と、暗い部分のコラボレーションが素敵。　コミカルな部分とシリアスな部分の対比もいいです。　傷をさらして、傷のない方を隠すっていう珍しいヒーローだけど、傷のない方の顔を確認したときのシーンがちょっといい感じ。　ライバルの女性も、深みのあるキャラでした。

とても素敵なヒロインでした。ヒーローも闇がありつつも優しい人だなと思いました。

絵も可愛くて、優しいお話でよかった。最初は暗い感じかなーっと思ってましたが、登場しない弟が奥の毒ぐらいでした。

さすが長年ファンタジーを書いてきただけはある大御所、といった感じの安定感。ハーレクイン進出と聞いた時は何があったのかと思いましたが、影のある男やこどもの描写は得意分野の作家さんですし、間違いない画力。洋館も書き慣れていて上手いなあとやはり感じました。ただ持ち前のほんわかギャグがなくて物足りなかったです（個人的に。

この間ペニージョーダンの作品で、「ジェーンエア」という古い映画を見たけどそれに似てると評しましたが、この作品も似てるわ！お城にいる陰鬱で気難しいヒーローが天真爛漫なヒロインによって愛を知っていく。金持ちでこの上なく美しいライヴァルが登場してヒロインを悩ます。昔からこういうパターンがロマンスとして定着してるんだなと思いました。