レビュー一覧

人気者で学内の中心人物だったはずなのに、坂道を転がるようにドン底まで堕ちてパチンコ中毒のホームレスにまで成り下がった村上… （こういう人間の脆さ、人生の残酷さを大袈裟にならず淡々としたトーンで描いていく木原さんの手腕はさすがです。クズ・人でなしの描写が容赦ない）彼を好きだという気持ちだけでそっと寄り添い彼を支えていく宇野。「期限切れ」かに思われた大学時代の初恋は全く終わっておらず、宇野の中で燻り続け“情”とか“愛”に変わる火種として変わらず存在してる。そしておそらく生涯一度の恋愛を雛乃と経験してしまっている村上…これは女性漫画だったら色々な障害（村上の順調人生からの転落、別れ、違う人との結婚…）を乗り越えて結ばれるパターンですよね。という事は宇野は立派な当て馬じゃないですか。「君は僕を愛していない」「苦しい時に自分に寄りかかり利用しているだけ」と最初から解っていながらも、自分からは離れられないドMの“神様みたいな人” 立派な人でなしであるはずの村上をどうしても「クズ」「酷い男」だと思えなかったのは、二人の関係が宇野の身勝手な歪んだ愛情の上に成り立っているものだと感じられたからかもしれません。BLですがラブは痛々しくちっともロマンティックじゃないし、読後感も決して良くない（まあ木原さんの作品が好きな方は、そんなの求めてないでしょうが… 汗）それでも、そこには違った形の愛情が存在していました。「……今日の君は、まるで恋してるみたいに僕を見る」エンディングの宇野がつぶやいたセリフがほんの少しの救いです。

悪い事の評価って、悪い部分はそこを指摘すればいいだけだから、いくらでも簡単に言葉は思いうかぶけど、良い評価の言葉の表現って正直自分は難しい。読み終わって、「良かった」って言葉しか出てきませんでした。宇野の弱い中の強さだったり、村上の後悔から進み出そうとする姿など、人の弱い部分や強い部分が分かりやすく、やっぱり木原さんの作品は面白いです。作品はコミックスから読み始め、原作を読んでみたいと以前から思っており、実際に拝見し「読んで良かった」って思いました。最後に結局、何が自分の中で気持ちが昂り、琴線に触れたのかは分かりずらく、また伝わりずらいかとおもいますが、コミックスには無かった続きを拝見し、イライラや、涙流したりなど感情が動かされ面白かったです。

何度読んでも私は二人の幸せな未来を描けない。遅かれ早かれまた受けは攻めの裏切りに合い苦しめられる日が来ると思う。それを考えると読んで面白かったという気持ちにはなれない。

コミカライズを先に読み、どうしても続き気になりレビュー読んで借りました、凄い途中しんどいし、村上クソだしで失敗したかもって思いながら最後迄読んだら、良かった何かわかんない雰囲気で閉めてあるにも関わらずとても良かったです、宇野君の粘り勝ちうーんそれ も違うかな、何回も読み返すだろうと思います。

これコミックでも読みましたが良かったですよ！この先生らしくと言っては何なんですが、ちょっと暗めな進行ですのでそこは覚悟して下さい。ファンの方なら織り込み済みと思います。

作家買いです。木原さんの「におい描写」が好きな私にはたまらん作品でした。欲を言えば汚い状態で宇野を犯して欲しかったです。愛していないのにこのまま自分に都合良く宇野と身体を重ねていいのかと悩む描写にまともっぽさを感じましたが、結局宇野を手離さなかったので安心しました。見向きもされていない人間の、諦めに満ちた心理描写はひたすらにきつく、歪んだ形とは言え最後に宇野は選ばれているのでハッピーエンドだと思います。

うわー辛い！けども現実には有りそうなお話しです。読み応え抜群ですがやっぱり辛い。

これはぁー。。。なにかすごくいい物を読んだ。あんまりエロくない。でも良かった。ろまんですね。叩きのめされたダメ男を黙って支える。。。立ち直ったら離れて行くのでは、という不安からダメなままでいて欲しいとか。これは、素直にハピエンと考えていいんじゃないですか。この作品はなんだかんだ、この先も続いて行く人生を予感させます。良い話しでした。

忘れた頃にまた読みたくなる、何回でも読みたくなる。そんな不思議な中毒性のある本(作者様)です。最後は私的にはかなりハッピーエンドだなと思います。漫画だけ読んで小説で続き読むか迷ってる方がいらっしゃいましたら、迷わず読んで！とおすすめしたいです。この作者様の本の中では読後ダメージは少ない方だと思います。

なかなかステキなお話です。ちょっぴりせつない。