レビュー一覧

極めて独特な世界観で、とても面白かった。ストーリーやキャラクターの一貫性はともかく、作者が全身全霊をかけて作り出したであろうこの世界像にすっかり魅了されて、あちらの世界に行きたくなるほどだった。個性的なだけに、好みは分かれるだろうし、一般に広く受けはしないかもしれないが、他の漫画には代えられない魅力がある。できるなら、こういうテイストの作品をまた描いてほしいものだ。

テーマ自体は大きいが、話はこじんまりとした印象の漫画。状況描写とキャラの書き分けが今ひとつで、何をしているのか分かりにくい場面がちらほらある。しかし、こういった作品自体が数少なく、出来もそれなりな作品といったらなかなかお目にかかれない。折角復刻していただいたのだから、この手のパニック系作品が好きな人には是非読んでほしい。※期待はしないように

もったいない！2巻まで面白いのに。意味深な生物部の先生は何なのか？胚を産み付けられた3人の不良はどうなったのか？あれだけ子ども達に襲わせてたのに変な所でしゃしゃり出て呆気ない女王の最後。女王が人間に何を産ませたかったのか？その産まれた物は何を目的としてどう生きる物なのか？別に人間に生ませなくてもいいんじゃないか？最後の産まれたものがダムを泳いでいたのには？？？一体何をどうしたかったの？とモヤモヤ。主人公は確かにナウシカ感がある。

何故だか魅かれて最後まで読んでわかった気がする。絵もストーリーも優しさが秘められていた。きっとまた借りたくなるかもしれない

絵柄は小花美穂＋伊藤潤二って感じで特徴的。皆さんの感想のとうり主人公の思考、行動、母になってものを教えるシーンがナウシカそのもの。そこにホラー系によくある陰湿な学校内イジメと、虫にブチブ殺されたり 腐ったり、澱んだりするじっとりしたスプラッタ描写と、キモ男系の性犯罪要素、純愛の心理描写が まじってくる。そのドラマの合間にかなり詳しく生物学(生体学？)の細かい解説が入ってくるのが個性的。虫の胎動にビクッとなる主人公や 、落ちこぼれ生徒による女教師の蟲レイプなど ホラー漫画にそそるひとにちょっとおすすめ。とりあえずナウシカ読んだことあるひとはナウシカだなぁ、って意識をもっていかれて時々 白けるかもしれない。蟲の親玉の感情描写がはじまってからの、3巻の 話のまとまらなさが残念。でもじゅうぶん面白いです。

何か凄い悪いことがおこりそうな前ぶれどんどん状況がわるくなっていく虫が増えていく、ドキドキします。絵の暗い雰囲気が凄くいいと思います。

最後まで読みました。そして読んで良かったと思える作品。リアル虫は決して好きではないですが、この作品の虫達をかわいいとすら思ってしまいました。絵柄もストーリーに合っていて良いと思います。確かに、背景に流れる自然界への考え方がナウシカっぽいです。

主人公の性格と絵が漫画版ナウシカを彷彿とさせる。(アニメ版ではなく漫画版のナウシカを見たことある人ならわかるはず。)生物学や雑学に深い造詣が見られ、非常に質の高い作品。ただし虫嫌いにはお勧めしない。

これはグロテスクです。苦手な方は見ない方が良いと思います。また虫もひたすら沢山出てきます。内容はとても気になるストーリーで、最後まで見てしまいました。

全巻読了。ジャンル的に惹かれ選びました。あたかもタイトルのように、私には作者が胸の中で物語の〈胚〉をじゅうぶんに温めて産み落とした作品に思えました。ほかの方々のレビューも拝見させていただきましたが、あれこれ気になる点は指摘されるのに、それでも高評価される方がいるのは、作者によって込められたものがそれだけ大きく、物語として包容力を持っているからではないでしょうか？ヒロインは凛とした魅力があり、時として確信的なエゴイズムも厭わない母性が表現されています。宮崎駿監督作品に言及されたレビューもありましたが、主人公の造形をふくめ、この作品はひとつのリングを描ききって内的連関を完結させており、安易に同監督の影響を見出そうとすることは首肯しがたく思います。たしかに未回収の伏線は散見されますが、この作品の相手取る〈自然〉をかんがえる時、理解出来ないものは理解できないという解答もあって然るべきであり、ある部分は、作者によって意図的に残されたものかもしれません。詳しく書けませんが、節足動物と脊椎動物の対比にはセンス・オブ・ワンダーを感じました。『中二病』などという記号化に毒されずに想像力を羽ばたかせられた頃は、豊かな作品がありましたよね。