レビュー一覧

気軽に他人に薦められるものではないんですが、夢中になって読みました。ですが嫌な予感がしたら途中でも読むのを辞めた方がいいです。嫌な予感がして、怖くて辛くて苦しくてもう読むのを辞めたかったけれど、引きずり込まれるように読んでしまった。作品の"読ませる力"に負けてしまった。最後まで読んでどう感じるかは個人で違うだろうけれど、本当に苦しかった。そして優しかった。しばらく忘れられないと思います。心臓が痛いです。さよならアルファの市梨先生なので、話も面白いしえっちだろうなぁと思って気軽に読んでいいものではないです。話も面白いしえっちなんですけれど、そこじゃないとしか言えない。もう一度書きますが、ちょっとでも嫌な予感がしたら読むのを辞めた方がいいです。思い出すだけで奈落の底まで落ち込みます。これを"素晴らしい"と評するのは個人的には凄く嫌です。ですが"作品"としては文句なしに、ここ数年で見ても飛び抜けて素晴らしいです。これを描き切った先生の筆力と、描かせきった編集者の職人魂にひれ伏さざるを得ません。たぶん血を吐きながら、血の涙流しながら描かれたんじゃないかな。それほど凄い作品です。読む側の心臓も血が流れる想いで読み切りましたが、本当に苦しくて、哀しくて、優しい世界のお話です。私個人としては、読まずには死ねない作品のひとつになりました。市梨先生、ありがとうございます。

うわぁぁ・・・まさに文字通り心中BLだった・・・幼ない頃に福太を可愛がってくれていた葵兄ちゃんが子供の姿のままで帰ってきた。ドキドキしながらの同居生活で甘々かと思いきや、何かを忘れていたことに気がつき始める福太。段々と歪み始める日常。そこからは急転直下・怒濤の展開です。ネタバレしてしまうと、葵兄ちゃん連れ去られ監禁→殺されてしまう→犯人のアパートに成長した福太が引っ越してくる→真実に気づく→犯人に詰め寄り事実を聞き出して犯人を・・・→変わり果てた葵兄ちゃんを胸に故郷の山へ。と救いようのない結末にハッピーエンド好きな私としては無期限で購入しましたがしばらく間を開けないとまた読むことが出来なさそう。福太は幸せだと思うよ、やっと葵兄ちゃんと一緒になれるし。葵兄ちゃん福太と永遠に一緒にいられるからね。でも惨劇の場所になってしまったアパートの福太に優しかった大家さんやバイト先の親切な店長夫婦のその後を思うと読後満足とは言えない〜。連載前から賛否両論だったと言われていたのも分かるなぁ・・・

辛口ですみません。薄い。ハートフル不穏BLなんて今まで聞いたことないから結末に期待したんですが、全然響かなかったです。謎かけ編の上巻はもういいよというくらい引っ張られ(実際200ページも要らないと思う)、下巻は予想した中で一番安易な解答でした。モノローグも自己陶酔気味で演出が大げさ。衝撃的なら心に残るわけではなくて、それを心に届ける技量がポイントなんじゃないかな。なんかこういうことじゃないんだよな…不穏なBLでもっと面白いのたくさんあるよ…と思ってしまいました。ホント辛口申し訳ないですけど。ちなみに下巻はかなり犯罪なんかが絡んで悲劇的ですので、そういうのがダメな人は避けた方がいいと思います。

あなたが自費出版の界隈の多様な作品に触れている読者だったり、アングラサブカル文学に傾倒している場合、さほど驚きはないと思います。伏線もあからさますぎてすぐ怪しい人やアイテムがわかってしまうので私はこの作品に期待した驚きや感動はありませんでした。伏線を回収できていて作品としては破綻なく綺麗にまとまっていると思います。この作者さんショタ好きですよねほんと…ショタの性交渉をどうにかして合法で描きたいという執念を感じる。

作者買いだったのですが、これはダメでした。BLは夢を与えるものと思っているので、ここまで、話もエンドも、画面も辛いものは全く受け付けませんでした。評価を見てから買えば良かったと激しく後悔しています。本棚にあるのも嫌かも。本当は星ゼロです。もう作者買いから外します。

評価難しいですね。この世界を矛盾なく描ききった事は凄いと思う。本編ではなくおまけとかでその先をもう少し覗きたかったなぁ。残された人達が何を思い何を感じるのか。この作品にはそこまで描く必要があったように思います。

最近は病み系も見かけますが殺人、誘拐、親からの虐待、子供への性的暴行。大人が力に任せ子供を虐げる残酷オンパレードで大人がこれをBLだーと能天気に読んでいるとすると怖いです。

ん゛ぬ゛ぁああああああ！！！！って叫びながら、床に包丁何度も突き刺したくなる作品です。試し読みたっぷり見れますので、それを読んでモヤッとした方。そのモヤッとが増殖します。あと相変わらずエロいです。あおい兄ちゃん可愛いです。上記のそれらの気持ちを全て味わいたい方は、どうぞいらっしゃいませ。いやいや、そんなのBLに求めてない、とにかくラブラブな2人が見たいのって方は、さよならアルファへお帰りください。間違っても、さよならアルファのテンションで、この門をくぐってはいけません。私はとにかく、読んでる途中から涙止まりませんでした。私にはこの作品がハッピーエンドともアンハッピーエンドとも言えませんが、とても心にずしりと残る、良作なのだと思います。そして、下巻裏表紙の冒頭の言葉が、この話の全てなのだなと思いました。こんなシリアスど真ん中な内容なのに、エロもしっかりぶち込めるのは本当に素晴らしい。とりあえず床に包丁ブッ刺したい。

『さよならアルファ』でも思ったんですけど、この作者様って設定やストーリーの発想はすごくおもしろいんですよね。キャラクターも可愛らしいし、絵もお上手だし。でも、なぜか心に響かない……。失礼ながら1回目は、その理由をぐだぐだ分析しながら読んでしまった……という感じです。福太も葵兄ちゃんも、すごく好みのキャラクターでした。2人のほのぼのとしたシーンやエッチなシーンは、これぞBLという感じでおもしろかったです。ですが作者様、細かい描写が苦手なんですかね。なんとなく作品全体が上滑りしてるような気がして、真に迫ってこないんです。展開もありきたり、伏線の張り方はまずまずでしたが、ありきたりなセリフやモノローグ……辛口になってしまってごめんなさい。なんていうか、良くも悪くも『分かり易い』んですよね。せっかく独特なセンスをお持ちなのだから、突端なストーリーやテーマで引っ張るだけではなく、もっとひねって、細かい描写やシーン、セリフ等でも私たち読者を苦しめてほしいです。でも、私は『さよならアルファ』よりこっちの方が好きかな。下巻で明らかになった葵兄ちゃんの過去は辛くて悲しいけど、やっぱりそこのシーンでグッと引き込まれました。全部知った上で2回目を読むと、上巻のはじめから福太のちょっとイッてる性格とか、葵兄ちゃんの秘密が節々に見えておもしろかったです。

兎に角しんどい作品です…!!ラストは心が抉られました…!!ですがまさに“究極の純愛”!!ここまで一人の人を想える人生は、寧ろ幸せな人生なのかもしれないなと思いました。闇がかなり深いので読む時は心して読んだ方がいいと思います。