レビュー一覧

砂漠のハーレムに捕らえられた受けは、攻めの王様やその周りの人と最終的にむすばれるのがBLファンタジーだと思っていたら、脱出、帰還、ドン底からの再生…て凄い話でした！あちこちもちろんBLファンタジーなんですけど、妙に日本的な淡々とした雰囲気が出ていて、説得力がありました。トンデモ設定がここまで見事に軟着陸する話は初めて読みました。攻めがものすごく普通のヘナチョコ男なのが、本当に良かったです。妙にツボにハマりました。いい話を読んだ気分！

あまりない設定で楽しく読み進めていたのですが、途中からいきなり駆け足で話が進んであっさりと終わってしまいました。攻めの気持ちの変化も突然すぎて、ついて行けなかったです。もっと、傷ついた受けを癒す攻めの姿を見たかった…エッチも、トラウマがあるはずなのにアッサリ。残念でした。

本当は、★３か４か迷う所なんですが。甘さを期待する人には、圧倒的に足りないです。ただ、復活と自己肯定の物語とすれば、４はありです。痛いのが好きな人にも、ちょっと足りないだろうしな～。少しの相互理解と、理解できないものに対する、自分には理解ができないってことを認めたうえでの歩み寄り？　そんな感じです。

紙版は10年も前に出た作品です。今のご時世10年というといろんなことが変わりすぎていて、このお話の設定も「ええええ～？」というところもあるのですが、そこは時代の変化なので致し方ないかと思います。作品紹介を読んだ時は正直重暗そうで購入をためらったのですが、作者さんを信じてポチりました。想像したよりも救いがいっぱいあってよかったです。

あまりにも理不尽すぎて怒りがこみ上げます。生きる希望なくすのもわかる。

なんでさらわれなきゃならなかったのかとかツッコミは除けば帰還できたのが良かったです。

久しぶりに読み返してのレビューです。なかなかのこじらせ具合で、複雑な設定で、と、ひと様にどうお薦めしようか迷う話です。明るく楽しいものではないので良い悪いは分かれると思います。なんか書いている自分も訳わかんなくなってすみません。