レビュー一覧

この作家さんは数冊目ですが、下調べをきっちりしてるんだろうと思わせる情報量にいつも感心します。今回は国防の裏任務を担う特殊部隊の設定なので、日常モノの時より更に硬質で甘さ控えめでした。この方の本当に書きたいものはBLではないのではと思うぐらい、実際にあった事件をアレンジして国家や国防、諜報の在り方を説くことに、より熱量を傾けてるような気がしました。情交シーンは何度かありますがなんでかもう一つ色気を感じないのが残念。拷問場面があるので苦手な方はご注意ください。

水原先生の防人もの大好きなのですが、これは消化不良でした。ミッションの話の割合がものすごく大きくて、恋愛要素が足りなかったです。そのせいで、せっかくの設定(昔の男と新しい男)が上手く活かせていないうえに、義父のことまで絡んできて、全てが中途半端になってしまったように感じます。ミッション中にふたりがバディとして濃密な関係を築くわけでもなく......。いろいろ残念でした。