レビュー一覧

長兄の「鷹の公爵とシンデレラ」次兄の「薔薇のレディと醜聞」末弟の「貴婦人と背徳のワルツ」そしてこの作品。長兄の話はなんとなくどこまでもずっこけな感じでしたが、次兄の話から一寸路線が曖昧に。最終話の今作に至っては結局長兄に戻る感じで大円団？推理小説やサスペンス物には比べようがないですが、ロマンス絡みならこんなものかなという感じです。不穏な気配もロマンスのスパイスに。末子アラベラと夫の掛け合いは中々コミカルでアラベラは天晴れな性格してますね。受け止め手の感性によりますが。深刻さを感じないけど、夫が心情を吐露する場面には胸を痛める感傷がありました。

序盤からフルスロットルなヒーローとヒロインです！ヒーローの仕事も秘密も不穏な事故もエロのブレーキにならず、ヒロインの勘違いも嫉妬もただのスパイスです。ヒーローのやたら具体的で官能的な妄想とプレイと、負けじと積極的に応じるヒロインで本編通してエロ多めです。喧嘩やサスペンス成分ですら二人を煽る結果に。いい雰囲気で事故→初夜断念、翌晩さあいよいよの場面で火事→初夜未完、ヒーロー脇が甘いぞ頑張れ(笑)と思いました。仕事と新婚生活の両立は荷が重かったヒーロー。喧嘩→エロ→喧嘩……のループで、ウジウジじめじめしないので面白かったです。星★5つ付けたいところですが、ヒーローが弟の暗躍に全敗だったのと、前妻ソフィーにちょっと酷いので星★4つです。シリーズ物なので前３作品を読んでからの方が、登場人物や事件の背景が分かってより楽しめると思います。

読んでいて疲れた。何しろ愛し合うのと口論の繰り返しなのだから。延々と続くこの繰り返しで少しずつ話が進んで行く。でもこの進んで行く話の方はさして複雑でも手に汗握るわけでもない。疲れた。

途中まで凄くハラハラしたのに、最後の犯人や今迄のシリーズの締めくくりがかなり駆け足で物足りなかった。犯人もなんのどんでん返しもなく、やっぱり？て人で、犯人とのラストから全て残念