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現実社会でも、同性愛者は病気みたいに扱われるし、昔はこの漫画のように治療するのに大量の薬を飲まされたり入院したりもありました。読んでいて、純粋に愛しているだけなのにと不憫になります。

男が男に恋愛感情を抱くことを「懸想の病」として国が認定し、原則として治療しなくてはならない世界観の中で複数のCPが葛藤する。case1〜4まではcaseごとに1CP。それぞれの恋の形がせつない。そして5はcase1〜4のCPたちが通っていた懸想の病の専門病院の医者と薬剤師のCP。過去のCPたちの治療を経て、治療の現場の二人が恋に葛藤する。薬を飲む＝恋に終止符を打つ、相手を忘れることなのだが、この設定がほんとせつない。どのCPの話も薬を飲もうとし、でも飲めなくて……そういう葛藤がグっと胸を打つ。恋愛のせつなさと萌えが詰まったオムニバスでした。

病を題材にしたオムニバスで一組一組のカップルが丁寧に作られていて読みやすかったです。

懸想の病　という男同士の恋愛感情を治療しに来る患者ごとの短編集なので統一性があり1話ごとにきちんと完結していて読みやすかったです。1本だけ擬人化の話が入ってますが。