レビュー一覧

わかってるのに結局泣きました。涙腺緩いもので。ファンにとっては印象深い、「変愛(ヘンアイ)」に収録の「止まり木」のセルフリメイクで、もちろんモチーフは同じなんですが、作品としてはあれとはホント別物ですね。エロなしです。「はらだ史上、最も優しい物語」の言葉通り、作者様苦手な方でも読めそう。人として愛し愛され、自分と相手を大事にしたかった二人のお話です。あと最近おまけで長々とネーム公開ってよくありますが、本作のはただのネームじゃないのでさらに沁みるものがあります。ただ一つ言いたいのは、短編の「止まり木」も短編ならではの良さがあってファンも多いとっても素敵な作品だということ。先にあちらを読んでみるのもまた違った視点で読めていいんじゃないかな。

鬼才にひれ伏す。BL臨界点の謳い文句がこんなにハマるとは・・・。読んで良かったの一言に尽きる。天使とニートのワンルーム生活の中で、出てくる言葉は、時にシニカルで時に下劣。なのに、クスっとなったり温かくなったり。今の世の中、生き苦しさはあるけど楽しい事もあるさ、とメッセージがたくさん詰まってる気がします。あと、ラスト付近で驚愕したんですけど、ストーリーに出てくる、なんでもなさそうなシーンや言葉、セリフには全てにおいて意味があった。点と点が繋がって線になるってこういう事です。もしくはピースがはまる。鬼才を通り越して天才。久々の五つ星です。オマケのラフもありがとうございました。想像した通りだけど、作者さんの言葉で読むと幸福度が違う。

もくじを空欄にしたはらださんにならってネタバレはしません。なるべく、先の展開を予想したりせずフラットなきもちで読んでください。。さいごまで読んで、また読み返したとき、ちゃんと見ればそこにもここにも「あった」んだと気づくでしょう。すごいおはなしを読んでしまいました。。

久しぶりにBLで泣きました。はらださんの才能を見せつけられました。これはどんなに言葉を重ねても陳腐になってしまいそうで、感想を書けないやつですね。でもぜひ読んでみて下さい。BLという枠に収まるものではないです。色々なことが繋がっていて、後でああこういうことだったのか、と思うと鳥肌が立ちました。あのパァンという音、出血量…。最後のネームももの凄い破壊力でした。はらださんの世界観は唯一無二だと思います。素晴らしい作品です。

BLではありません。エロなし、オチなし、胸キュンなし。よっぽどのはらだファンでなければ、買うのをお勧めしません。

………………。レビューというのは、個人の意見をあくまで主観で書いて良いところと言う判断の下に書かせて頂きます。 一言で言うと、とにかく最悪の読後感です。途中まではまるで文学小説でも読んでいるかのような感覚を覚え、物語の『結』への期待がとても高まりました。それはもう、『起承』が異常なほどまでの膨らみ方を見せたからでした。しかし、『転』で天使(？)の過去が明るみになり、いよいよ雲行きが怪しくなり出し……。はい、お決まりのパターンでの『結』ですね、と………………。え？なんで、え？どこで？？？2人が満足できたの？えーーーっっっ！？！？！？！？別に特別なことじゃなかったじゃーーーん！！ぼっちの2人が、ただ単に初めて人と心を触れ合わせられたっつー話だけだったじゃーーーーーん！！！よくある話、フォーマットのような『起承転結』。何よりも、最悪な読後感…。絵の感じや、物語への引き込み方が秀逸で大変素晴らしくはありますが、話としてはどこにでもあるような本当によくある話です。男性同士の話だったから何だか少し特別感が出てますけど、男女だったらどうですか？しかも最後の再会シーンに至っては、主人公が現実世界で幸せな人生を送れたなんて、全く思えませんでした。あちらでまた仲良く暮らそうなんて、きっと主人公が天使と離れていた間、ずっと天使のことを思って1人寂しく孤独に生きていたんだろう、あるいはいずれ誰にでも訪れる『死』を楽しみに思い描きながら生きていたのであろう、と想像に難くないからです。2人の出会いが、その後のお互いにとってプラスになったんだと思いたかった。でも再会シーンでそれが見事に打ち砕かれました。私の中であのシーンがなければここまで低評価にはなりませんでした。こんなに高評価な作品へ、このようなレビューを投稿することをかなり悩んだ末に投稿させて頂きましたが、この作品のファンの方や不快に思った方がいましたら、本当に申し訳ありません。私としましても、はらだ先生が嫌いなわけではないのに、あくまでも私にとっては読んだことを後悔するほど、非常に読後感の悪い嫌いな作品であることは事実です。最後に、内容紹介の最後の方で『あなたは、この関係をなんと名付けますか？』と言う問い掛けがありましたが、私は『共依存』と答えたいと思います。

感動したという口コミが多かったので購入しましたが、私にはそんなに合わなかったようです。それなりに知的な面のある主人公が何故あのような人生を選んでいたのか分かりません。あの人柄であれば普通にまっとうな人生を歩めたはず。天使の男の子が自殺に至る理由や取り巻く状況だけはリアルでしたが、成仏？出来た理由が浅い。二人の一連のやり取りが自分に価値を見出だせない人間が思い直す程の事なのか最後まで疑問で共感出来ませんでした。買わなきゃ良かったです。

正直、私は 止まり木 のストーリーの進行やラストの方が好きですが、これはこれで感動します。絵もとてもきれい。主人公が、悲しみのなかで改め生きる、という希望が感じられます。

胸が痛い・・・；；これはBLじゃなくヒトの愛のお話です。そして内容説明にある「はらだ史上もっとも優しい物語」の文句から、やたもも系の不器用なはぐれ者同士のほのぼのストーリーを期待したんですが、全く違ってびっくりしてます。でも読んで良かった。理不尽で不公平な人生を呪うのではなく、なんとか笑って生きれるように、そして「まぁ悪い人生ではなかった」と最後に帳尻をあわせてくれるような、救済の物語。別の見方をすれば狭く息苦しい、どこにも逃げ場がない押し潰されるような閉じた世界なんですけど、それだからこその優しい物語なんでしょうね。今、なにか苦しい思いのあるヒトは読んでみたらいいと思います。ひとときだけでも、主人公たちの幸せを願ってリアルを忘れることができますから。。。秀作です。

はらだ先生の昔の短編「止まり木」をセルフリメイク。話の本筋を変えずに2人の関係をじっくりと堀りさげ止まり木を超えていきました。はらだ先生がはらだ先生を超える…‼本当に素晴らしい作品です。