レビュー一覧

初単行本とはとても思えない出来で素晴らしいです。シリアスな短編集で、バッドエンドでもありませんがハッピーエンドでもない話があります。けれどもどれも愛があり思いを通わせていて救いのある本でした。ですがキラキラ系を求める方にはおすすめしません。スッキリアッサリではなく、その後を想像させる余韻のある物語ばかりで私は凄く好きです。しかし９７年に出した本とは思えない。何故か古くさくないから不思議。

初めて読んだときはBL読み慣れていなくて暗い話にただただ衝撃を受けただけのような気がしますが、やっぱり今読めばそれだけじゃないですね。暴力とか監禁とかHIVとかズーンと重くのしかかりながらも、読めば読むほどこの奥底に潜むモノに惹かれずにはいられません。特に表題作とセルロイドパラダイス。表題作は一目惚れした男に暴力を振るわれ犬にされる話なのですが、後半暴力男の弱さが露見する展開に持って行かれます。リバ時のポチの存在感もすごい。セルロイド〜は１５歳少年がHIVで末期の男と過ごした短い夏の話。とにかくどれもモノローグも刺さるし印象的です。

レコード時代の短編集。かなり以前に買って忘れてたもの。度の話もどぎつくて雰囲気がいいですね。ふわふわキュンキュンが嫌いな私にとっては楽しめる一冊です。内容的には重いテーマを扱っています。きちんと一羽ずつ完結していますから今後入りません。それが読み取れないのは読解力不足です。

短編集です。サンプルが気になったので48時間レンタルしましたが、どのお話も突然プツッと切れるような終わり方でちょっと不完全燃焼でした。フランス映画みたいな感じです。少し暴力的な表現が多いかな。どの話も主人公と相手の心が通うということが無い！すれ違うというか。ハッピーエンドや幸せを求める方は不向きです。私も借りなきゃ良かった。絵は素敵だなと思うので星２つです。

この作者さんは品川心中よんでからきました。ちょっと前の文学の香りもちらほらしてわたしは好きです。ピアスとか痛いの駄目な人は向かないかもだけど、ページ数も多いし読んだ！っ満足はするよ。

痛々しい。心も体も痛々しいと思った。自分の心をもて余す苛立ちが、すごく伝わる。

懐かしいです。確か紙媒体で持ってた気がします。絵が好きだったし、タイトルに惹かれたのを覚えてます。

「すごいもの読んじゃったな」昨今の作品読了後ならいざしれず、30年近く前の作品でこんなに衝撃を受けるなんて…出会えたことに感謝です。重いテーマをまるでケ・セラ・セラと締めくくるかのような「セルロイドパラダイス」が印象的でした。

岡崎京子の作品でも女の子が片思いしていた男子からポチと呼ばれ、虐げられる話があったなとふと思い出しました。

かなり古い作品なのに全然そんなこと感じない。さすがジュネですね。