レビュー一覧

題名通り甘いお話でした。母親からネガティブな感情をぶつけられ続け成長した律が、偶然ファンである小説家と出逢い…というお話でした。正直導入部では律が良い子すぎるっていうか、そこまで母親に尽くさなくても、とかモヤモヤしちゃって共感できない感じでした。人間ってもっと自分勝手なもんでしょ？と…。でも、読み進めていくうち、子供の時から虐待されてきた人の思考ってホントにこんな感じなのかも、思うようになってきました。自分がそんな目にあってないからわからないだけで…。律自身が母親との関係性を変えていこうとする流れはよくあるお話だと思いますが、母親は変わらなであろう、その上での付き合い方を考えようとする律に成長を感じました。

これ、続き物？ってくらいぶつ切り感が～。ハッピーエンドなんですがね…

腐友からのお勧めで読みました。幸薄い健気受けを書くのがお得意な月村さんですが、この作品も毒親（母）を持つ受けの律が健気でいじらしくもう何度ギュッとハグしたいと思った事か…常に律を否定し、自分の感情のサンドバッグとして扱う母親の言動がリアリティ溢れていて流石でした。攻めの倫太郎は人気作家でありながら気さくで驕ったところがまるでなく懐が広いし、その弟の健児もヤンチャぶりが微笑ましい。（魔女を非難してくれてありがとう！）ただ自己評価が低く毒親にされるがままになっていた律が（まさに「共依存」だと思います）倫太郎に恋をしてその愛情に包まれることで少しずつ変わっていき「さあ、これからラブラブだぜ！りっちゃんたっぷり甘やかされて幸せになってね！」というところでストーリーがぷっつり終わってしまうので物足りない感が否めません。二人が寄り添っていくまでがゆっくり丁寧に書かれているのでページ数云々の事情があったのかもしれませんが、出来れば後日談SS（出来たら倫太郎視点で！始めて出会った眼鏡を借りるシーンから、彼がどのように律に惹かれていったかも読んでみたいです）そしてちょっぴり毒母もチクリとやっつけて欲しかったです。倫太郎の家で3人で暮らす事になって「彼の素晴らしさが見えないなんて気の毒な人ですね…これからは貴女の代わりに僕が家族として律くんを愛していきます」って宣言してくれたり…　そして出来れば兄の恋人によこしまな感情を抱くようになった健児とその親友（勿論相手はモールのカフェでキャッキャしていた「まっすん（町田真人くん）」です）の甘酸っぱいスピンオフも希望！…と勝手な願望ばかりですみません。

作者さん買いです。安定の面白さでした。主人公の思いが切実で切なくて、そんな中で、毎日を頑張っている姿に応援したくなりました。攻めも広い心で包んでくれてるし、主人公が幸せになって良かった。

作者さん買いです。年上の攻は、包容力があり、ひたすら優しく温かい人柄です。受の子は、家庭で辛い思いをして過ごしてきたからか自尊心が低いですが、素直で真面目な性格です。割と早い段階で両思いになり、甘々な雰囲気になります。作品全体が、ほんわかと温かく、とても読みやすかったです。

作者買いですが、今作も月村先生らしいお話でした。幸薄受けが好きな人にはたまらないと思います。嫌な母親が成敗されずに終わるので少しもやっとしましたが、逆にリアリティーがあるラストなのかもしれません。

攻めは大人で包容力があって押すとこは押す、素晴らしい攻めでした！律は倫太郎にだんだん惹かれていくところは微笑ましかったんですが、最後が性急すぎたかなと。トラウマがあるのでもうちょっと段階ふんでからのエッチでもよかったかなと思います。

こんなに気分悪くなる母親のもとで育って主人公のように活路を切り開けるのかしら？と思うくらい、主人公が不備な育ちでした。。出会えて本当に良かった、良かったね。と背中か頭をなでなでしたい読後感。お弁当の描写が本当においしそう。わたしも太めの金平を作ってみようかなって思いました。素敵な恋愛物語です。

毒親の母親にやり返さないのは確かにモヤモヤしました。最後にギャフンと言わせて改心させたかった！しかしそれがこの主人公が望むことというとまた違そうだし、この終わり方は現実的で良かったように思います。主人公はちょっと引っ込み思案だけど地味に顔は整ってるという、BL界でよく見る受けという感じ。でも過去に母親にやってもらえなかったからか、成長してから家庭的なことを趣味にして自分を慰めてるというのがすごく痛々しかった。その反面、健気で好感が持てました。こういう子が一人で手作りお弁当食べてたらなんか見ちゃいそうだなと思います。

子どもに絶対言ってはいけない、「産まなきゃよかった。」「あんたがいなければ、もっと私は幸せだった。」…そんなセリフのオンパレードで、正直途中で読むのが辛くなりました。受けの律はそんな毒親に育てられ、自己肯定感が低く、自己評価も低い。でも、本当に良い子！そんな優しく頑張り屋な律を見初めてくれた倫太郎に感謝。これから幸せになってね！