レビュー一覧

虐げられて育った少女が一人の男性に愛され幸せになる、大好物です。両片思いやすれ違い、適度なエロもいいですね。お話自体はとても面白かったです。でも、どうしても残念なのが、背景の甘さ。病気の看病をしていたヒロインが洗濯物を抱えてリビングを通り勝手口へ。なんですかそれは。とても庶民的な家です。晩餐や朝食もリビングで、食事室や朝食室などないのでしょうか。仮にも辺境伯の館、お城だったり城塞だったり宮殿だったりするはずなのに部屋が少ないの？現代日本の一般家庭でもダイニングルームがあったりするのに？馬車も貸し馬車のようだし、紋章の入った馬車などないの？辺境伯だから、軍隊も持っていていいほどの力があるはずなのに？話が面白かった分、モヤモヤが止まりません。もっと人物以外の設定を詰めてほしいですね。なので星はマイナス1です。

有り体な設定だけど、主人公達の心情もきちんと伝わりモヤモヤせず、スッキリする終わりで読んで良かった。

ちょこちょこと気になる部分(言葉使いや言い回し等)はありましたが、物語としては良かったと思います。ヒロインが健気で健気で…。ヒーローとの出会いは最悪で、己のミスのせいだろうにヒロインに当たり散らすわ噂を鵜呑みにして暴言を吐くわ…大丈夫かコイツ？と思いました。まぁ、ちゃんとヒロインの魅力に気づき、謝罪してデロ甘になってたので良しとしましょう。ヒロイン異母妹は特殊性癖の旦那に捕まったし、父親の侯爵は跡継ぎがいなくなって(ヒロインの子供にも会わせて貰えないし継がせないってなってたし)、めちゃめちゃ家の存続(家系、血筋の存続)にこだわってた人っぽかったから、自分の代で侯爵家が終わるってのは相当キツいでしょうねぇ(笑。自業自得じゃ！)とニヤッとしながら読み終えました。

コミカライズを読んで先が気になり、こちらを借りましたが……小説の下書き、まだ骨格に肉をつける前の段階という感じは否めないです。が、まあ、お話の全容が解明されたので、そこはスッキリしました。お金持ちなのに用心棒の一人もいない辺境伯家ってのが変ですが(辺境警備の軍隊だって持ってて当たり前のはずですが)？

あっさりしていてるので読みやすいですが、大まかなあらすじにしっかり肉付けされていない作品という印象を受けました。あと設定がかなり甘いので、読んでいると変な所が結構あります。この設定なら、侯爵令嬢のヒロインの衣装はドレス一択だと思うんですが、何故かワンピースが出てきます。あと、他の方のレビューにも書いてありましたが、ヒーローは辺境伯のはずなのに色々とおかしな所があるので、田舎に住んでいるまあまあの貴族か・・・・・田舎に住んでいるちょっとお金持ち位にしか思えませんでした。ヒロインの妹が他国でやらかした後、辺境伯の屋敷に乗り込んで更にやらかしてるのに、この甘々な妹の結末も設定からすると、かなりの違和感があります。この値段で読むには、物足りない内容の作品なので、評価は厳しめにさせてもらいました。

ありきたりな恋愛小説です。ただの恋愛物としてなら普通なんですが、ヒーローが辺境伯ってところに疑問が生じます。特に後半の妹が乗り込んでくるところ。辺境伯なら当然、国境を守る軍隊を持ってるはずなのに全く出てこない。それどころか普通の貴族の屋敷でも存在する警備兵や騎士なんかも出てこない。この屋敷は一般人の屋敷ですか？ それとも貧乏すぎて雇えないの？そして他人の屋敷であれだけ傍若無人に暴れまくった妹を主人公を救出した後も拘束しない不甲斐ないヒーロー。とにかく身を守る気が全くない辺境伯と、無防備だらけの屋敷と使用人たちに、ものすごく違和感を感じました。

個人的には、この様な不憫な主人公が幸せになる物語は好きです（物語の王道ですね）。主人公が健気で応援したくなります。ただ、この物語はダイジェストか草稿を読んでいる様に思いました。架空の世界を舞台としている様ですが、舞台となる世界の設定が殆ど語られていないので、どういう世界（時代）を想定して良いかわかりません。貴族女性がドレスでなくワンピース、交通機関は馬車（自動車は発明されていない？辺境には普及していないだけ？）、裕福な貴族にしては庶民的な屋敷、貴族の社会的位置付けは？貴族社会は終焉を迎えている？現実で言えば、中世？近代？素直に現実の時代背景を借りてくるか、独自の世界であれば背景を語る必要があると思います。また、最後に妹は侯爵の本当の娘では無かったということを匂わせているのかと思いましたが、この世界の遺伝の法則が分からないので、書かれている内容からは判断がつかないです（姉と同様に隔世遺伝？かもしれない）。そもそもこの世界に優性の法則はあるのかわかりませんが…

話の骨子だけしかないような、あらすじみたいな、箇条書きみたいな話でした。ヒーローがヒロインの誤解を解いたのはいいのですが、なぜヒロインを好きになったのかもよくわからないし（いい子だと思うのと恋をするのは違うと思うのです）、使用人たちがヒロインと一緒に過ごすのはいいとしても、この人たち仕事はないの？と思うほどずっと一緒に過ごしているし。辺境伯という立場では、国境警備も大きな仕事だと思うのですが、軍がいる様子もなく、ヒロイン妹がズカズカと屋敷の中に入り込んでくる時もこんなに簡単に入り込めて大丈夫なのとか、ドレスの下にコルセットとかはないの？などなど、他にもいろいろと気になる点があったのですが、小説は筋だけでなく、細部が大切なのだなと実感したお話でした。４８時間がないのが本当に残念でした。

サクサクと読めました。後半のヒーローの溺愛っぷりが少しウザい。最後はハッピーエンドに終わって良かったです。

結構長めのページ数のはずですが、さらっと読めます。ストーリーは良くできてると思うのですが、個人的には、一つ一つの場面、感情をもう少し丁寧に描いてある方が好みです。表紙のイラストも、設定の年齢より幼く見えてしまい、ちょっと残念でした。ただ、読後感は悪くないです。良かったな、と思えます。