レビュー一覧

弁護士たちの世界を描いたストーリーですが、その仕事ぶりも含めてさほど固くはなくサラッと読めます。ただ弁護士らしからぬ破天荒な藤巻の人間的魅力が今ひとつ伝わってこなかったのがちょっと残念。（どちらかというと主人公の不倫相手であった三上の方が、その言動から性格がわかりやすかったかな）あと気になる事が数点…藤巻は弁護士の元妻とわずか1年で「しっくりこなかった。もしかして自分はゲイかも」と自覚したという理由で別れておきながら、その後白石と関係と持つまで全く男性と経験がなかったという点。うーん、不自然極まりない。また3度ほど出てきますが、三上の左手薬指に光っているのは“エンゲージリング”ではなく“マリッジリング”ですよね。後日SSで二人の公私に渡るパートナーとしての甘い日常が読めるかと思ってたら、なぜか「関係を持ったのはあの1日限り」になっていてそれも残念。一見真面目な誘い受けの白石に（身も心も！）尻にひかれ「白石君には敵わないよ… こんなに可愛い君を手離してくれた事だけは、あの三上に感謝したい気持ちだ」みたいなメロメロぶりが見たかったなあ。

進展が気になる！物足りないとこがあるけど、逆に引き付けられるストーリーでした。

攻めは飄々としたいいキャラになりそうで、能力発揮してるらしい法廷場面は説明文だけ、数少ない見せ場もあっという間に終わり、結局普段も情交場面もリードされがちな印象の個人的には少し残念な人に終わってしまいました。受けの心情は共感できますが、新人だった割に旧ボス弁に対してもそこそこな口をきいてるし、自分の感情とか要望はストレートに口にしてるので、内面の葛藤とは別に言動だけ見れば、欲しいものは確実にぶん取って行くツンツン肉食系男子でした。

法曹界について詳しく調べてあり、その点はとても良かったと思います。ただ、主人公があまり魅力的に描かれていないように感じました。