レビュー一覧

日の出ハイムさんの描く和物は、本当に切ないです。どれもリアルにありそうなところがいい。日本が今みたいに当たり前に恋愛ができるようになったのなんて、戦後たかだか数十年のこと。ほんの少し前までは親が決めた顔も知らない相手と結婚するのが普通だった。その代わり、衆道というものがあり、男同士の恋愛が華々しかった、そんな時代。陰間と田舎侍、訳あり若旦那と役者の卵、侍同志の恋など、いずれも秀逸です。日本人が忘れかけている、生命をかけた恋が痛々しいほど鮮やかに描かれています。個人的にはカワウソの坊主の話が好きです。時代物や寓話系がお好きでない方は、ピンとこないかもしれません。日の出さんの独特の世界観が好きなら、迷わず買いです！

同人誌から大好きな作家さんなので、即購入しました。短編集で、全て江戸時代のお話です。色恋さえも命がけの時代の、切なさと、甘い色気が表現されていて、どのお話も読んだ後にじーんと、その時代の空気に浸れるものでした。単なるBLにとどまらず、詩的な表現が、絶妙で素晴らしいです。とくに侍好き、歴女の方なら間違いなくはまれる一冊だと思いました。まさにBL的お江戸純愛物語。無期限で購入したのでお気に入りの一冊として、時々読み返したいと思います。

なんというか、普通。感動的でもないし、エロくもない~。

作者さんの描きたいことは伝わってくる。男色の粋みたいな。でもストーリーがぼやけていてイマイチに感じてしまった。中途半端という表現が一番しっくりくる。悪いお話ではないのだが…。特に面白くもなく残念。

表題作の日本橋心中がいちばん好きです。時代物が好きですので楽しめました。妖怪になった愉快な坊さんの話も面白かったです。ほかはちょっとストーリー展開が弱いかな。

ショートストーリーですが1話ごと駆け足を感じさせず、上手く纏っていて面白かったです。ですがなんで急に現代への転生を持ち込んだのか不思議。もう一方は生きてたから後にってことかもしれないけど、ならメインもなんとか合わせた方が纏まるのではと。短編って小さな違和感が大きな致命傷になる気がする。

月さんも京さんもいい子で、登場人物でやな人が出てこないの珍しいような…なので、仇討ちの結末はとても悲しかったです。せめて来世で幸せになって欲しい…京さんの言う、「月さんの江戸弁は心地よい」っていうのが可愛らしい絵柄とあいまってよく伝わってきた。 本当愛らしい(>_<)

江戸陰間遊郭が舞台。仇討ちとか悲恋めいた雰囲気で悲しい話もあるけれど、クスッとさせられるオチもあっておもしろかったです。

良かった！切なくて泣いたけど、悲しい涙じゃないです。BL人情もの？とも言えるかな？ナンチャッテな部分ももちろんあるけど（髪型とか）なかなかどうして江戸言葉とかリアルなとこもあって楽しめました。男なのに花魁とかいうのはよくあるけど、色子物は初めて読んだかも。でもこっちの方がリアルですよね。あっさりした一重風な可愛い絵柄も好きです？

可愛らしい絵にだまされました、どの話もちょっとずつ繋がっていて切なさ感があふれています。江戸時代がメインだけど輪廻転生っぽい話になっていて読みごたえがありました。