レビュー一覧

コミック版では名前が出てきませんが、原作では作中に出てくる王様はエドワード1世です。話の内容ですが、これは原作の分量からいっても2巻物にした方が良かったのでは。このコミック版は序盤も結構話を飛ばしていますが、後半はいくらなんでも話の持って行き方が強引過ぎるし、悪役のやっていることが行き当たりばったり過ぎるしでちょっと入り込めませんでした。原作では悪役はもっとヒーローの性格と弱点を突いたやり方で主人公たちを陥れていたのですが。それと原作ではヒーローの女性不信ぶりが読んでいて心底むかつくレベルでしたが(特に終盤にきてのアレは「ないわー」となりました)、コミック版は逆に優し過ぎて物足りなかったです。原作でのヒロインのヒーローも含む男たちからの信用されなさ加減が酷いのでサクヤ先生が改変したくなる気持ちも解るのですが、原作でのジャイルズのヒロインへの態度・評価が変わる過程の方は好きなので、そこも全部カットになったのは残念です。あとサクヤ先生はあとがきを読む限りあの悪役に随分思い入れがあるんですね。私は原作を読んだ時もうちょっとひねった犯人を出すだろうと思っていたら、普通に序盤から一番怪しくてヒロインにも一番敵対的態度をとる奴が真犯人だから拍子抜けしただけで、彼のキャラクターは余り印象には残らなかったのですが。

謀反人の娘から結婚まではよかったのに、いろんな人に狙われ過ぎて、ずっと切り合いしてるだけって感じでした。絵もヒストリカルには似合ってない！

中世ものにはありがちなストーリー展開で、いつも誰かが殺されています。絵が微妙。特にお勧めもしませんが、こういう中世独特の世界観がお好きな方にははまるかもしれません。

少し無理やりな感じはあるものの、まあまあのストーリーでした。

目が独特で、激しさを目力で表現してる感じの作品だと思います。闘いのシーンも目力だけで相手を倒せそうな…。落ち着いてくると、闘いの時の表情とは変わり優しい眼差しもあります。ただ、目まぐるしい展開で、え？って思うところもあり、少々戸惑いました。これも描きたい、あれも描きたいと言う想いがあるのか、原作をうまく纏めきれていないように思います。

ストーリーはミステリーチックで陰謀と妬みがあって面白いのですが、ページ数が少ないせいか所々理解できないです。剣や矢が扱えるくらい強いのに、治療すらでき、嫌な男と結婚するくらいなら「殺して」と言い切る男前なヒロイン。文句なくカッコいい。ヒーロー、人間不信なら分からずでもないけどなぜ女性不信？そして女性不信の傷が深いですね。リリーさんに何があったの？ヒーロー側からしたら「戻ってくるまで待っててくれ」かもしれませんが、リリーさん側からしたら「戻ってくるか分からないヒーローより近くの男性に頼っただけ」では？それで女性不信って。原作は違うのかしら？再読はないかな。

ヒロインの性格が男勝りで、同時に若い女性の潔癖さ、貴族階級のノブレス・オブリージュにも通じるとても魅力的な人物描写にひきつけられてレンタルしました。国王に向かって自分を処刑してくれと進言するシーンは見ものですね。それに対する国王陛下の処断が粋だこと。それに比べるとヒーローの方はよくある人物像かも。しかしお似合いのカップルです。ヒーローの腹心で、頭脳明晰･冷静･ハンサムと三拍子揃った人物（自分好み）が登場しますが、終盤の展開への関わり方が薄っぺらで拍子抜け、この点では不満が残ります。この頁数ではあっさり終わってしまうのも仕方ないのですが、こうなると原作を読みたくなります。機会があれば。図柄は少々子供っぽくて荒いですが、ヒストリカルな雰囲気はよく出ています。楽しめました。

ヒロインが強く、優しく、美しいスーパーヒロインです。その分ヒーローの印象が薄くなってしまいました。

ヒロインが武力と治療の能力と領民からの信頼を持っており、スーパーマンみたいでストーリーに入って行けませんでした。絵がもう少しきれいであればよかったのに。

王道のお話しなんですが、物足りなさを感じました。