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僕が僕であるためのパラダイムシフト
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2023-01-24
いやあ、素晴らしかった。私は健常者なので鬱の方の気持ちをこの作品によって初めて知ることができたのだけれど、人という存在の深淵を覗き見る気がしました。絵もすっきりとして秀逸。内容も軽妙でさほど重くも感じられませんでした。作家自らの体験なのか、それとも誰かのことを作品化したのかは判りませんが、驚くべき作品です。鬱と関りを持っていない方々にとっても十分心に響くものだと思います。久々に良い漫画に巡り合ったような気持ちがします。ありがとうございました。
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鬱になる過程や治療過程がとても具体的に分かりやすく表現されていて、なるほどと噛み締めながら読ませてくれました。鬱の正体に対する分析に関しては特に秀逸だと思います。ただしアドラーの記述に対しては、現代医学では否定されている時代遅れの内容も多く、PTSDを患っている方が読むと逆に症状を悪化させてしまう可能性もあるので要注意です。マスコミがもてはやして流行になった著書(アドラー関連本)でもその内容が正しいかどうかは別問題。また子供の頃の親から受けた仕打ちが要因の鬱ではないと主人公は言っていますが、大人と子供の鬱の出方は違い、子供は自分が受けた状態をその時点で正しく把握してない為に、知らないうちに後から症状が出ることもあります。ですのでこの治療方法で主人公の鬱が治ったとはいっても、主人公の自己分析が正確だとか万人に有効な治療方法だとかは思わないほうがいいだろうと思います。漫画としては面白く読めましたが、医療的な懸念点もあったので少々点を辛めにさせていだだきました。