レビュー一覧

旧版持ちです。作者様は大筋は変わらないのでご無理なさらず…とおっしゃっていますが、そりゃ気になるでしょ。私ポチって後悔なしです。ちょっとずつなんだけどエピソードが所々膨らんでいて、ますます2人への思い入れが深まります。特に本編である“どしゃぶり”後の“ふったらびしょぬれ”、旧版には無かった最中の会話がほんとたまらんです。そして新たに整目線の“どしゃぶりとびしょぬれのあいだ”、が入って完成です。うん、確かに完全版だ。それにしても心の機微を表現するのに本当に長けた方なのだと読むたびに感動します。心のありようも、情景も、それぞれの所作も全てにおいて細やかで豊か。お話の世界が自然に自分の中で動き出します。偶然から始まったメールのやり取り、静かに進むお話の中でどんどん折り重なっていく思い、息苦しさ。溢れ出る、もう戻れない、その瞬間があまりにも切実で、とても好きです。でも、事情はあれどそれぞれにパートナーがあっての行為なので苦手な方はあるかもしれません。このお話の始まり、セックスレスについては実質4組が出てきます。それぞれの理由は違うけれどどのパターンも身につまされるというか、どこかしら共感できてしまう部分があって、他人事ではない気持ちに、つい我が身を振り返ってしまいます。解決策を示される訳ではないですが、もしもまだ間に合うのであれば一歩くらい歩み寄ってみようかな、という気持ちにはなれそうなお話です。ともあれやっと始まった整と一顕、いつまでも幸せなセックスができるといいな。過去をちゃんと持って生きる2人ならきっと大丈夫なんでしょうね。ところでかおりのその後はわからないけれど、和章のその後のお話、ナイトガーデンもそのうち完全版とかで再お目見えするのでしょうか？出版界の事情には疎いのでよくわからないのですが、素敵なお話が埋もれてしまうのは残念です。

攻めの彼女は完全にナシですし、受けの幼なじみもヤンでるっぽくて苦手ですが、一顕と整が相手に触れられないことに苦しみながらも真摯に向き合おうとするところに深く共感します。そのふたりが会話や些細なやりとりを重ねながらちょっとづつお互いを思い合うようになる過程がジレジレしますが上手い！最後、ふたりがようやく新しい関係に足を踏み出してくれて良かった！幸せになってね。

旧版は未読ですが、加筆やかきおろしが含まれてるそうです。いやぁもうよかった。。触れたい、触れられたいという欲求が汚いものとされる苦しみが痛いほど伝わってきました。「ほんとにそう思ってくれる？」「ほんとだよ、汚くなんかないよ」と求めあうシーンは胸にせまるものがありました。とはいえ、攻めの一顕の恋人かおりのきもちもわかってしまうのでいたたまれないというか。。どしゃぶりの雨に浄化されて新しいものが育つ、こころに沁みるお話でした。BLとして読まないほうが楽しめるかもです。和章のスピンオフも読みたいんだけど、版元のアレで配信は難しいのかな。。

お互い相手がありからスタートするけど、セックスレスな状況だったから、お互いの心の隙間を埋めるべく惹かれていったところをよく表現して良いです

ちょうど梅雨に読んで正解、雨の音を聞きながら胸いっぱいになりました。個人的には他を向くってナシなんですが、もうこれは、誰も悪くない気がする。納得できる設定と展開です。綺麗事かもしれないけど、そして、みんな大変だろうけど、みんな幸せだといいな、そう思いました。

もちろん傑作なのですが私としてはモヤモヤするお話です。

攻めがほんと性格イイ。こんな男子いてたら絶対惚れてしまう。影のある受けも色っぽい。さみしい2人が出会って惹かれあって恋に落ちていく過程がすごく好き。

うっかり電車で読んでしまい、困りましたー。良かったです！出てくる人みんな無理がない、主役二人には、それぞれのパートナーがいて、好きなのに、上手く行かない。それぞれの気持ちが、わかって切ない。彼女の願いもわかります。って思うのも作者様が無理なく話を展開してくれるからですね。スピンオフがあるとか、読みたいなあ、彼の重荷も雨に流されていますように。

綺麗な表紙だったので内容を見てみたらなんとなく良さそうで、読んだらはまりました。この人達がどこがどうしてそうなるの？と思いながら読み続け、そうなるか！と。そして単純には纏まらないジリジリ感。ジリジリハラハラしながら最後には纏まって本当にほっとしました。続きがあったらいいのに。彼らが後にした彼や彼女も気になります！

イエスノーシリーズを読む前にどんな作風か試し読み的な感じで。パズルのピースがハマるような出会いって、理由が何であれパートナーがいようと既に片思いをしていようと関係なく訪れる、それは否応なく人を傷つけることもある、恋の素晴らしさとほろ苦さを両方描いた作品。BLだからこその逡巡も良かった。