レビュー一覧

作者さん買いです。優しい全体の雰囲気の中、そこかしこに哀しさや切なさの色が混ざっている感じが綾先生ならではの作品でした。心惹かれた人間を食べることで成人できる。出来なければ死を与えられる。この設定が良かった。心惹かれた人間（愛した相手）を食べる、それは正に鬼の所業。好奇心が強く、涙もろい紅は人間と何ら変わりがなく、運命に逆らおうともがき続ける姿に引き込まれました。そして最後、鬼の長であるお館様にも何かしらの過去や葛藤があったのだろうと伺わせ、切なさを感じさせられました。このあたり綾先生らしい作品だと思いました。将来取り残されるであろう樹に幸せな出会いがあって欲しい。スピンオフお願いします。

とても面白いのですが、愛する相手を、というのがとても引っかかります。設定で泣かせる気満々。

初めての作家さんでした。凄くよかった……ぼろぼろ泣けて泣けて。お互いを想う気持ちが切なくて、相手のためなら、死んでもいい、この命をあげる、そんな究極の想いが、辛くて悲しくて。最後の方になって、漸く、最初の悲劇のあと、鬼になった紅が取った行動が明かされて、ああそうだったのか、と納得させられました。物語の中に、ロミオとジュリエットやツルゲーネフの名作からの一節が出てくるのも、心の深みをかんじます。脇役の樹が、とても素敵でした。

愛おしい気持ちと、なんとも表現しきれない、もどかしいような切ない気持ちと、いろいろが織り込まれていて…このお話に出会えてよかったと思いました。この先たったひとりぼっちになってしまう彼にも幸せになる道がみつかりますように。

生まれ変わっても、記憶がなくなっても惹かれ合う、切ないストーリーでした。寿命の違う、理の異なる人と鬼では、あの痛い経験を経ないと結ばれなかったんですね。泣けました。

BL小説って文字ばかりで読みにくいイメージがあったけれどイラストが付いていてわかりやすいし、想像して楽しめた！はじめてのBL小説がこれで良かったです。

良かったです。好奇心旺盛な鬼の紅の半人前の頃が活き活きとしていて、ただただ毎日を無為に過ごす有馬が救われたかと思えますが、それは鬼たちにとって裏切り。輪廻を信じる有馬と紅は再びめぐり逢い、幸せになると思ったのにそこで終わらずまた辛い思いをします。とても深い思いを感じ、読んでいて切なくて苦しくて、幸せが遠く感じられました。それだけに最後は大袈裟かもしれないけど「深く深く魂で結ばれた」様に思いました。

結構前にレンタルしたのですが、久しぶりに読み返して、1度目より2度目の方が更に面白いと感じました。中盤とても読むのが辛いですが、乗り越えた後の2人が幸せそうで良かったです。碧と紫も可愛いですし！お館さまの過去が垣間見得るところはとても切ないですが、鬼と言うからには致し方ないのかなと。本当は2人が羨ましくて妬ましいけれど最後には不器用に背中を押してくれているようにも感じました。

とても心に残るような作品でした。二人の出会いからが丁寧に描かれていて、心の変化や心情がよく伝わってきました。

切なくて痛いファンタジーです。ほんわかほっこり系が好きな人は要注意。そしてスプラッタ系が苦手な方には地雷(短いですが)があります。それでも深い愛の話で良かったです。脇役の樹と子鬼の碧と紫の番外編などあったら良いなぁ。