レビュー一覧

作者さんが後書きで裏テーマとしていた「古き良き少女漫画」、この言葉に尽きると思います。

面白かった。サンプルから引き込まれて一気に読破。チェロを通じて、そのチェロだけでなく大人たちに翻弄されながら成長する奏都のキュン＆ウルが詰まってます。そして――もう一回読み返したくなります！！

最後の方でドンデン返しが驚いたけど。。時々詳しく音楽についてチラチラ語っているところもあるから、もっと音楽小説ばりに演奏の描写があったら面白かったかな？主人公の心理描写が詳しいとも言えず、どういう子なのか、無理につっけんどんな男の子を描いた感じ？彼の設定なら複雑な精神構造もあり得たわけで。そこから攻さんが放って置けなくなる、納得できる展開も色々できたんじゃないかと。どの登場人物も脳内で形に出来ないフワッとした印象で全体的に色の薄い水彩画のような、何というかなんで好きになったのかとか伝わらないまま突然恋愛が始まった感じで私は感情移入できなかった。作者さんの力量が、とかではなく物語に対してページ数が足りないのかも知れない。多少楽器を触るので期待した分評価が厳しいとは思います。

設定とかストーリーとかは良いんですけれど…情景描写が何か欠けた感じと、棒読みの演技を聞いているような会話でした。あと、音楽や楽器に詳しくない人が読んだら分からないだろうと思う説明不足のところがあります。情景描写はイメージできるけれど読んでいるうちに｢あれ？｣となって戻ったり、人物同士の会話が噛み合ってないような感じがしたり。さらに、主人公が○○だろと思うようなシーンでそうかな？と疑問に思ったり、主人公の独白の続きを突然他者が語ったり展開に不自然さを感じて、全体的に感情移入できないお芝居を見たような気持ちなのでこの評価です。あと、イラストは特徴がなくあっさりしてます。