レビュー一覧

全3話の短編集。初期の作品集なので、絵が古いです。表題作はピアノの才能があった主人公が、事故で指を負傷してピアノをあきらめたのですが、歌の才能を見出され、歌手として大成する物語です。終わり方があっけなくて拍子抜けしました。この話だけで一冊いけます。2話目は顔も知らない憧れの人を別人だと思って好きになってしまった中学生の女の子の可愛い恋愛話です。一番好きでした。３話目は、好きな男の子より一学年上なのが悩みの主人公。彼と同じ学年になるために留学までしようとしますが…。ちょっと主人公の考え方についていけませんでした。

昔読んだ作品だけど『糸のきらめき』は最初の1ページ目が1番印象に残ってる。それとお店で初めて歌うシーン。熱唱するシーンを今見ると何人かリアルなシンガーが頭をよぎる。迫力ある歌唱力を絵で伝えることができるなんて凄いな〜とあらためて感心したのでした。

今から４０年以上前の作品ですか！長い歳月が流れたことに驚きました。年齢がばれてしまいますが、大好きな作品でした。切なくて、悲しくて、大人の恋物語に初めてほろ苦さを感じました。くらもちふさこ先生の感性は本当に素晴らしいです。天才だと思います。

懐かしくて、つい。小学生のとき自分もピアノを習っていたので、とても覚えている。小学生の頃にはよくわからなかったセリフの意味も、大人の今では理解できる。時代も今とだいぶ違って、今だったら時代錯誤で古くさい描写も多いけれど、あの頃の空気感を思い出してノスタルジーに浸るのも悪くない。最後、日本に戻ってきたリサイタルで、とびかかってきた少年に言うセリフがとても印象的。あのシーン好きだなぁ。結構細部を覚えている自分に驚いた。すごく出来のいい作品ではないと思うけど、心に残ってた作品。