レビュー一覧

☆4.5。ずっと読もうと思っていたものでした。作者様の別作品をpixivで読んで、個性的な上に心理描写が丁寧だなと思っていたんですが、本作もとても丁寧。2作収録ですが、心を閉ざす人物とかヒューマンスキルの高くない人物の描写がホント的確。デビュー作ですがリアリティがあって独りよがりになっておらず、作者様はよく人間観察をされているんだなぁと思います。ただ全体的に暗め。何度も読み返したいものではないので評価迷いましたが、何度かキュッと心臓掴まれるシーンがあったのできっとまた読むと思います。

表題作ともう一つ作品が入ってます。表題作の方は受けの不思議で刹那的な生き方がなぜなのかというミステリアスなところから解き明かされていくのですが、うまくいかない恋愛の描写や心情が丁寧に描かれていてよかったです。最近オメガの逃れられない性やすんなり身体から入る作品ばかり見てきたので、感情の移り変わりがとてもよく描写された作品だと思いました。もう一つの作品は年下の部下と年上の上司が少しずつ歩み寄る関係でほのぼのした感じだけど、2人のぎこちなさが薄れていく感じが自然でよかったです。ただ年下くんの性癖がちょっと意外で、人間的に惹かれるのはわかるけど身体を繋ぎたいって思うのかなぁと少しだけ疑問でした。ゲイの知り合いがいるという説明があったのでそれほど抵抗がなかったのかなと納得はしましたけど。エロはシーン的に必要なところに入ってる感じでそれほどエロくはないですけど、心情の変化が細やかに描かれているのでオススメしたいです。

あ〜、この作品イイですね！サンプル読んで久々に大波来る気がして購入しましたが、予想以上っとまではいかないにしても、購入して正解でした。表題作は、先輩を好きでどうしようもなく寂しくて、埋めてくれる人がその時いればいいだけっていう感じ。そういうの、分かるな〜って思う。だからこの人と出会えたのかもしれないですね。短編の方は課長と新人CPなんだけど、これまた言葉や表情がイチイチ良く描いてて良かったです。なんか不安しかないけど好きで好きでっていうの、いいなぁって思いました。

「ノイド」を読んで再読しに来ました。初読後ぐったりした記憶があってなかなか読み直せなかったのですが、あれ？そんなに激重ってわけでもない？「かつとし」の第一話は暗くて苦い終わり方だけど、かつとしの人柄を知っていくと、最終話でめげないおじさん（笑）に出会えてよかったねーと心が温かくなりました。おじさん素敵です。併録作は、もうとにかく内藤さんがいいんです。そりゃあ好きになりますよ、こんな素敵なおじさん。若い人たちの不器用さや窮屈さ、生き苦しさをおじさんたちが受け止めていたことに、なぜか再読して気づきました。本心をずっと隠して抱えて生きている人たちが、ここぞという場面で相手に見せる、そのいじらしさが今回は印象に残りました。

「向こうの人」が今年ベスト5に入るくらい面白かったので、こちらも購入。昔読んだことあると思うのを忘れてた。くらいあまり印象に残らない話だった。

前から少し興味があった作品。クセありそうだな、と思ったけど結構クセ強めかも。ハッキリ言って画は繊細でもキレイでもカワイくもありません。でも、一風変わった切り口をする作者さんだな、と思います。「かつとし」も「スウィートハラスメント」も、人との（相手）接し方、関わり方がテーマなのかな？と考えます。どちらの作品ともアンニュイな雰囲気があり、これからの作品次第で、もしかしたらクセになる作家さんになるかも、です。でも、表題作のみなら★2.0ですかね。今のところ。

サラッと読めるけど何とも不思議な感じの短編集でした。かつとしは、どこにでもいそうな感じの子かな

正直言って絵は好きじゃないのですが、すごく面白かったです。独特の雰囲気で、始終何処か胸が苦しくなる切なさと哀愁漂う作風、その中にポツンポツンとひろがる優しさ。

オムニバスの短編連載です。漫画への引き込まれ方がすごいです

不思議な話…。でも読み返すだろうな…って思いました。