レビュー一覧

だいぶ前に紙で購入。これは初見で感じたことが何度か読み返すうちに変わっていって、とても印象深い作品でした。私は最初「恋をするのは女、欲情するのは男」という部分がよく理解できなくて・・・。というのも、「恋」には「肉欲」が伴うと思っていたので。抱き合いたいと思わない「好き」は「恋」と呼べるのか？舞さんに「可愛い」とか「一緒に居たい」と思っていたとしても、それはそもそも「恋」という名前の感情ではないと思った。ところが読み返すうちに、逆の部分、この人は「男を抱きたい」と思っても、「可愛い」とか「独占したい」と思ったことはないと気づきます。深町に興味はあっても彼のセックス事情に対して特に何とも思ってない描写があり、その時点で嫉妬心もないんだなぁと。大きな変化があったのは女装写真を見たとき・・・・後で読んでここ、本当に興味深かったです。「おんなのこ」みたいに可愛い深町に、最初に「恋」が生まれた瞬間だと思う。肉欲と「可愛い」が一致する瞬間。なので、今までのアイデンティティが崩壊し、彼は倒れそうになってしまう。モノローグの多用もなく淡々と映像が流れる感じで進むので、初見でわからなかったことが後でパアっと見えてくる爽快感。そして二人のシンクロは、漫画として面白いだけでなくラストへの大きな伏線だと思いました。深町の気持ちが中々見えない作りなのですが、最後の「好きだよ」に対し、「知ってる」と破顔。その気持ち、「俺らシンクロじゃんまたしても！」ってきっと思ったんですよね。あの「知ってる」は照れ隠しでもツンデレでもなく、同じ告白のセリフだと思うと、読後にじんわりとうれしくなりました。

紙初版日辺りで紙で購入。sb7さんのレビューを興味深く読ませて頂きました。私も「恋するのは女、欲情するのは男」という設定が理解出来なかったからです。私は、欲情=少なからず恋心も含まれてるんじゃないか？と思いました。冒頭部分で高史は深町のコトを見て、めちゃくちゃタイプだ…と思っているのですが、それって一種の恋心だよね？と感じた訳です。え？恋心じゃないの？じゃあ恋心の定義とは何？と…。今でも、欲情=恋心も少なからず入っている…と私は思ってますが、sb7さんが指摘されてた、高史は深町に興味はあっても、嫉妬心がない…という所で、恋心と欲情の違いが納得出来ました。その部分は私は読み取れなかったのでレビューって有り難い！と思いましたm(_ _)m。それでも星の数が上がらないのは、高史と深町の思考.行動が好みではなかったからです。高史は自分の性的指向がなかなか見つからず悩んでいますが、自分で試行錯誤して見つける努力をせず、色んな女性と付き合って傷付けて行くのはどうなんだ？と思った訳です。人数は具体的には書かれてないですが、たくさん恋して色んな人を傷つけたというと、2、3人どころじゃないんじゃないかと。私だったら、3人目辺りでこのままじゃいたずらに女の子を傷つけていくだけなんじゃないか？男性に欲情するなら男性も試してみようか？ネットで似たような人がいないか調べてみようか？と試行錯誤すると思うんですよね。自分の性指向に真剣に向き合えば、今の時代ネットがある訳だし「女性に恋、男性に欲情」のキーワードで女装男性に辿り着けると思うんですよ。そういうの全然しないで、偶然寮で出会ったゲイが、偶然バイトで女装していて、そこで自分の性的指向が見つかったって…。深町に出会わなかったら、舞さんを傷付けながら付き合いを続けていたのでしょうか？偶然掴んだ幸せを全否定する訳ではないですが、私は自分から動いて掴み取る幸せの方が好きです。 深町の嫌いな部分は、彼女がいると分かっている男性にSEXを迫る所。高史も彼女の欲情には向き合わず(ハグとか、頭撫でるとか、手を握るとか…)、自分は他の男とSEXして満たすのはどうなんだと…。高史も深町も自己中だと思います。だから二股もするし、NTRし。 女性に対する扱いが酷くてモヤモヤします。それでも星3を付けたのは題材の斬新さ、エロ描写の雰囲気の良さを評価しました。

作者買い。だいぶ前に他所で購入し、何度か読んでいます。恋をするのは女、欲情するのは男という厄介な体質に悩み続けてきた高史が、深町との関わり合いから自分と向き合い、自分を受け入れ歩きだすお話です。体質に理解ある彼女の舞さんも好き、身体の関係のある深町も好き、好きって何だろう、今までのどの「好き」も本当だったのに……男とは、女とは……。高史が深町の美人な女装写真に心臓バクバクなシーンはホント彼をよく表していて印象的です。そして紹介文にあるとおり、手を取り合ってからの二人と、舞さんの涙にはやっぱり胸が熱くなります。

ほのぼの可愛い感じです。エッチあるけどあっさり。最後近くまで二股みたいなところはすっきりせず…もっと早く両思いになってそれからの話を沢山書いて欲しかったです。

好きになる気持ちは病気じゃない。同性でも異性でも凄く励まされる言葉だった。わかりやすいから男女で分けていたけど、本当は男女で分けて考えるのが正しいわけでもないのかもしれないと、思う作品だった。二股的なものが嫌という意見もあると思うけど、理屈じゃない自分でもよくわからない気持ちが分かりやすく描かれていると思う、面白かったです

青春ってこういうのだよなあと想いながら読みました。友情や自己葛藤、性的関心の拠り所、全てが愛につながるのですが、それを模索する主人公が愛おしいです。

何度読んでもあるシーンで涙が出てしまう。世の中の人達は普通にとらわれすぎだよ。高史も舞さんも。そういう意味では深町くんは達観してたかな。その後の高史と深町くんを見てみたい。

苦学生でしっかりしてて身体も大人だけど、自分のことが分かりきってない2人が出会って惹かれ合うのが夏の風景と相まってとてもエモいです。

難しい題材描くの得意な方だなぁ。女の子に目が行くのに、欲情するのはオトコってそういうヒト、いるだろうな。いるよ。女の子の方がきらびやかで華やかで綺麗だもん、私もそう思う。でも、女の子とは付き合えない。自分ごとで納得してしまった。ま、私の場合はそれが所謂世間の範疇なので、面倒がなかったけど。今は多様性って言われるけど、どこまでをどう対処すれば誰も傷つけないのかな。この主人公に関わったヒトは主人公含めて悩んでるようで、見てて少し苦しい。

自分のセクシャリティの住所が分からないのって、誰に相談していいのか、そもそも相談できる人がいるのか、相談したとしても理解してもらえるのか、とても不安ですよね。その葛藤を凄く上手に表現されてるなあと思いました。色々と印象的なシーンがたくさんありましたが、ソフトクリームのシーンが一番好きです。よく言った!!と拍手喝采です。このままずっと2人の時間が続きますように…