レビュー一覧

よくあるタイプのお話だと思ってました。やたら女性にもてるヒーローを奪おうとする元恋人のせいで、苦悩するヒロイン。その苦悩が行き過ぎて被害妄想的になり、二人の関係が悪化してしまう。でも真相は……腹黒脇役ナンバーワンの登場でしたねぇ〜意地が悪いのではなく、実に計算高い！　そしてヒーローを愛しているから嘘をつきましたと、最後は全てを自ら明らかにします（ヒーローの愛を勝ち取れないとわかると開き直ります）。ヒーロー＆ヒロインの結婚生活をぐちゃぐちゃにかき乱し、最後は偉そうにヒロインに助言までして……お前は一体何様つもりだ！？　（しかもちゃっかり新しい恋のお相手までみつけてました⇒ここまで来るとヒロインも完敗ですね。爽やかに退場したしね）　ヒーローはヒーローでヒロインを愛していると言っておきながら、元恋人に振り回されるし、無神経な言葉を投げつけるし……ハーレクインだから復活愛が成立したけど、現実だったら即離婚⇒二度と顔も見たくない！と言われそうなヒーローです（金持ちでハンサムだから、何をしても許されるのか！？）　ヒロインはみじめ度高しです。

傲慢なヒーローが過去、現在とヒロインを傷つけてそれを後に悔やみひれ伏してハッピーエンド、というのがハーレクインでは割と定番で前半ヒロインが傷つけば傷つくほどエンディングに期待してしまいます。そういう意味でこのお話は消化不良に終わった感があります。なぜ最後の最後にこんなにヒロインが頑張らなきゃいけないんだろうと。

この日を逃したら3週間会えなくなるという日に「元カノを一人にしておけないから行けないわ！」って言われて取り乱さない女なんて存在しますかね？同じようなことをされてヒロインを快く送り出すヒーロー、というエピソードをHQにおいて見たことがないので、なんでいつもヒロインばかり信頼感が無いことを責められてるんだ？とモヤつきが。ヒロインの卑屈さや被害妄想を責めたり説教するヒーロー自身がこれといって模範になるような言動をしていないことも苛立ちに拍手をかけます。伝わってると思ってたから愛してると言わない(言葉足らずの察してちゃん)、元カノの話を出されたらむっつりする(殻にこもる)、流産したヒロインに「君の望み通り流産できたね！」と言い放つ(勝手な妄想)。これヒーローがヒロインに偉そうに指摘してたウィークポイントと何か違うの…？しかもヒーローの方が12才も歳上。こんなダブスタヒーローなのに最後もヒロインの方が愛してるのごめんなさいって縋ってるから余計フラストレーション溜まるんですよね。

レンタルしましたが、再読したくて紙でも手にいれました。でも読み返すと最後辺りでやはり、ヒロインがなぜこんなに必死にならんといかんの？と頭に来る。ヒーローの説明不足だし、告白すべきをせずあやしげな行動を取っていた自分に非があるのは明白。いくらヒロインが頑固で不信感に満ちていても、ヒーロー逆切れするとは！　ここの展開が腑に落ちず、私の中では前半星5、後半2と期待が萎んでしまった１冊になってます。