レビュー一覧

どうやったらこんな平凡な女子なあるある話をこんなにも感傷に浸れるドラマチックな話に仕上げられるんだと‥ほんと切り口というか、作者の着眼や感性に脱帽です。いくえみ作品によく出てくる愛すべきふんわりクズ男も、やっぱりカワイイしチャーミング。

学生時代とはまた違った不安を抱く年頃の青年達の物語です。マキ（晶子の同級生の売れっこ漫画家）から見た晶子の「普通感」が秀逸で、そんな普通に見える晶子も満たされない焦燥感に思い悩んでいる。晶子とマキ、全く違うタイプの二人がお互いの知らない所でお互いを羨み合っているんですね。いくえみ先生は本当に女同士の微妙な機微を描くのが上手だなあと思います。晶子の元彼のダメ男も人間味があって憎めないし、マキの彼氏の優しいけれど冷たい漫画家男も結局は人間味がある。みんなダメなんだけれどみんな愛しい、みたいな漫画だと思いました。晶子の母親が毒親な所も、晶子の満たされない原因になっていてリアルでした。

このお母さんみたいな人は沢山いると思う。怖いっ、でもお父さんでしょ根源は！

主人公の明るい性格がすごく良かったです！主人公の母みたいな人、多いのではないかと思います。我が子への依存も考えもんです。。。

人の感情の表現が秀逸です。主人公に感情移入しちゃって切なくなりました。そして・・ラストは報われてほしかったなぁ・・でも、それも作者さんの作品ならではですね。

主人公の心情や、家族内の格差、年齢を重ねるにつれての友人とのズレなどどれも胸にズシンと来るように共感しました。この作者さんの女性心理の描写は随一です。

ものすごく身にこたえるお話しでした。グサグサ心に突き刺さるセリフが多くて、主要なキャストに共感しまくり。主人公がタフで、暗い展開にはならなくてよかったです。もう一回、じっくり読み直そう。

切り口や展開がホント上手い。30年以上前から読んでいますが、びっくりするくらいニーズを捉えてると思う。明日もわからない不安な生活や彼氏のこと、気になる異性のことや必要とされてるかわからない友人関係や家族関係。二十歳前後の揺らぐ気持ちが上手く描かれた、素敵な作品だと思います。

若いころに読んでなくてよかったな、と思いました

深い！胸がしめつけられる作品でした！！！