レビュー一覧

見事です。ただただ一言見事です。作者さん買いです。この作者さんの作品にハズレはないように思います。独特の柔らかな雰囲気を持っていて、喧嘩のシーンとかもシリアスになりすぎず、爽やかな風が吹き抜けるようです。一番初めの作品は『青林檎与へしことを唯一の積極として別れ来にけり　　河野裕子』という歌がモチーフになっています。この歌が、最後に響きます。痺れます。この作品は少し大人になってから読んだ方が心に響くのでしょうか。二作品目は、映画のような作品です。これはこれで映画や文学でやるようなことを漫画でやった感じがします。この作品の中で出ている漫画家さんは先生自身がモチーフなんだろうなっと思います。三作品目は可愛らしい作品です。まとまり方も、最後のオチも可愛らしくて、読後感が柔らかい優しさを感じさせてくれます。この作者さんは買って間違い無いですが、個人的には第一の作品のためだけでも買って読む価値のある本だと思います。

表題作で亡き恩師を思い出し、涙が溢れて心をぎゅっと掴まれました。敬愛と恋心の混ざった感情、思うだけで世界が広がるような気持ち、再確認させていただきました。

表題作が良い。派手さはないけれど、読後にじんわりと余韻が残ります。作中の果実の香りのような。きれいな絵と、うつくしい言葉が、誰かを心から想う切なさと苦しさを彩り昇華しているようです。主人公が愛について語るくだりでは、作品を読みながら、読者も自分の大事な存在を想うのではないでしょうか。自分は何度読んでもそこで涙が出ます。何度も読み返したくなる作品です。

3作品収録されていますが、「積極」を読んだあと胸がキューっとなって余韻に浸っていたくて、他の2作品をすぐに読むことができませんでした。河野裕子さんを初めて知ったので、そちらの本も読んでみようと思います。

好きです。ほのぼの、心がほっこり。それでいて少し涙。ほどよい余韻が残る、優しくなれる、そんなお話。絵も優しい。

収録されている三作品の中で、表題作が一番好きです。モチーフとなった短歌の美しさに心打たれました。

作者さんの世界観がホントに素敵で読み終わってもしばらく谷川ワールドに浸ってしまいます。

素敵なおじいちゃん描くのうますぎる…あと他の話にも出てくる貴和子先生を見ると谷川先生を思い出してしまう笑

表題作が、切なくてぐっとくる。最後の短歌が、また切ない…。絵の雰囲気とマッチしていて、とても良かったです。ほか２作ありますが、先生にしてはスピーディーなお話の展開で目が回りました。表題作がおっとりしてる分、読むのが疲れました。

谷川先生の作品は、本当に詩的だな(この本は特に題材的にも)と感じます。温かみがあり、爽快さがあり、程よい切なさあり。たまりません。クセになります。女性の登場人物は、皆、独特の色気がありますね。是非読んでください！