途中までは、主人公ハルヲの隔絶された環境と孤独が浮き立って見えるような書き方の雰囲気が良く楽しめていましたが、最後の展開にやや無理があるなと感じてしまいました。もっとも主題が心霊というオカルトなので、なんでもアリでいいのかもしれませんが。

人には言えない事情のあるもの同士が片田舎で偶然出会い、静かに心を通わせ合う描写が良かったです。しっとり心に残るお話でした。

孤独な生活から2人の密やかで息の合った同居、明かされる過去や惹かれてく想いなど、物事の流れや心理描写が自然で面白かったです。この世ならざるモノの始末はよくあるパターンですがそこまでマンガ的にしなくてもと少し残念でした。

オカルトテイストの物語でしたが、不可思議な現象も細かな描写で鮮明に書かれているので、余り違和感無く、一気読みしました。白井さんが良かったです。厄介なモノに憑かれても負けずに向き合い、ぶれずに物事を正面から直視出来る、筋の通った大人の男って感じでした。難しい設定の怪奇現象だけに、アレをどう始末するのか、ずっと気にしながら読みましたが…なるほど、こうきたか❗と妙に納得しました。