レビュー一覧

昨今あちらこちらで見かけるオメガバースですが、当初の「有能で圧倒的に強い攻め（アルファ）ｘそれに支配される儚く健気な受け（オメガ）」というテンプレをはみだして、色々な作家さんが工夫して書いておられるのは嬉しいです。飽和感のあるオメガバースですが、切り口次第ではまだまだ新鮮に面白く読める分野ですね。この作品はアルファとオメガの二人が紆余曲折を経て結ばれていくストーリーでなく、運命的に出会ってしまった鉄板の番がパラレルワールドに飛ばされてしまい、アルファとオメガという絶対的な運命のしばり”バース性”が無くなった世界で、お互いを見つめなおす…というユニークなもの。安西さんならではの丁寧な人間模様の描写で、ある意味トンデモ設定でありながらしっとりと優しい世界観でとても面白く読めました。男性オメガでありながらその社会的なハンディを受け入れ、明るく前向きに自分の人生を歩んでいこうという主人公の春間も、天才的な頭脳を持ちの恩恵を充分に受けながらも「元の世界に戻る選択はお前（春間）に任せる」と言い切る冬至も良いキャラクターでした。動物や昆虫のようにわかりやすいフェロモンが無い分（気が付かないだけで本当は存在しているのでしょうが）人間は大切に思う相手に気持ちを伝えたり、他人（相手）の心情を思い図ったりする努力を続けていかないといけないんだよなあ…　そのうち清明X風花さんのスピンオフ＆子どもを授かった春間たちの後日談も読ませていただきたいです。

めっちゃ良かった！！久しぶりのヒットでした！オメガバース設定ですが斬新なストーリーでした！

人生の岐路に立ち、決断するお話です。将来への不安や悩みを、オメガバース＋パラレルワールドの設定を効かせて、一つの答え方へ導いています。特殊な設定ですがシンプルで、二人の不安や悩みが丁寧にえがかれています。日常生活で共感出来る箇所が随所にあり、とても楽しめました。また、今までのオメガバースやSFものとも一味違うアプローチ作品です。これらの設定を嫌煙されている方、好きな方、どちらへもお勧め出来る作品でした。

オメガバースの世界から、オメガバースのない世界にセックス中にスリップしてしまうという斬新な作品。興味深いです。つがいでなくても、セックスなしでも、好きでいられるか、、、純粋な好きという気持ちを確かめ合う大切さを思い知らされます。結果ハッピーなのですが、個人的には高校入学式の日に初めて見た瞬間に運命の番とわかる描写をもっと濃くしてほしかったです。

攻の、受けに対する溺愛が好きな方にはいいと思います。発想がなかなか面白くて、違う世界に飛んで行っただけかと思ったら、実はその違う世界にも、攻と受の本人達がいて、それはオメガの世界に行っててなんて、面白すぎる。それぞれの世界を楽しんで、やはり自分たちがいるところが一番と感じる。いいお話でした。

大好きな作家さんの作品なので読みました。期待通りの素敵なお話でした。お話の設定が新鮮で面白かったです！バース性の存在しない世界の二人には、バース性の存在する世界はとても刺激的だったのでは、と想像すると楽しいです(^ ^)そちらのお話も読んでみたい…最後春間の携帯に届いた別世界の自分からのメールを読むところがすごく良かったです。

わたしがだいすきなあの作家さんやこの作家さんの新作がオメガバースだったらどうしよう。と思うくらいオメガバースが苦手です。。でもレビューに誘われて、とにかく読んでみました！わたしが思う、オメガバースのココが苦手なんだよ～ってとこにオメガの春間が切り込んでいってくれました。ふたりで戸惑いながらもオメガバースのココがすてきよねってとこにたどり着いたんじゃないでしょうか。おもしろかったです！どうせなら、向こう側にいっちゃったベーコン視点のお話も読んでみたかったな～。

この本を買おうかどうしようか迷っていてレビュー欄をチェックしている方々、迷わず買って下さい。「ええ～？オメガバースぅ？」と思った方も買って下さい。そんじょそこらのオメガものとは違いますから。いやしかしオメガ設定だからこその盲点に突っ込んだ感じがしますね、この作品は。

これはもう皆さん高評価付けるの当たり前！文句無しの星5です。オメガバースで運命ってゴロゴロ出てくるけど、ソレ抜きにした時にはどうなの？って本人が違和感持ってるトコにパラレルワールド、オメガバースのない世界。新しい切り口で面白かったですね。

オメガバース作品ですが、パラレルワールドを絡めたSF作品でもあります。なので、作品の入りはちょっと説明的で早足なので、面白さはさほど無いのですが、パラレルワールドが絡んでからが、本編だと思って読み進めてください。オメガバースでないオメガバース作品が始まります！オメガバースの作品って、特殊な設定を楽しむものなんですが、この作品はむしろノーマルな世界が特殊に感じるという、不思議な感じがしました。オメガバース作品特有のアルファのオラオラ感とか、オメガの不憫さはほぼ無いので、オメガバース作品を越えたSF作品として楽しめると思います。これまで、オメガバース作品は、バース性とかフェロモンとか、二人の関係を形作りる困難や喜びの為の設定として流して読んでいましたが、作中の人物にとっては、もっと意味のあることなのだと改めて考えさせられました。今後読むオメガバース作品を面白いと思うハードルが上がりそうです。