レビュー一覧

よかったです。根暗でちょっとひねくれてるけど純粋で嘘がつけない子に、一見明るくてチャラいモテ男（中身はちょっと違うらしい）が惹かれる話が多い？根暗だけど芯は強い受の子をかわいいと思えるかどうかが評価の分かれ目のような気がします。歌詞のようなモノローグが多いのでそこも好みが別れそう。あとはおおむねタイトル通りです。甘くて苦い恋愛とわりと現実的な仕事のお話。ミニシアターの映画っぽくファンタジーな展開も起こったりしますが、話はわりと全部現実的です。登場人物がみんなよくて表題作の三日月くんのいじらしさが可愛くて、この作者さんの他の話がもっと読みたくなりました。

他の方に「いいですか、けっしてけっしてクリーニング店の話しを読んじゃいけませんよ心壊れますからね，絶対ですよ！」とお伝えしたいのですが、そうなると営業妨害のたぐいになりますので、続きを妄想して置きます。あのあと大した職歴も無い小さなあの店主さんは、けっきょく大きなチェーン店の工場勤務となり、丁寧な仕事ぶりと無理難題でも引き受けてしまう性格ゆえ、あっという間に現場主任に登り詰め、ある日その工場に法律問題相談で呼ばれたあの弁護士さんと偶然の再会を果たします。「あ、君は確かあのクリーニング店の…元気だった？」たわいの無い会話。頬を染める小さな店主さん。この後は皆さんのご想像で幸せ続きを捏ねてしまえば、安眠が得らること請け合いです。クリーニング店〜読んだあと、私もだいぶ長い間苦しみました。この苦しみから逃れるためには、もう妄想しかないですよ。必要悪です。道端ダン箱の子犬と一緒です。心掻きむしられるったら！ほんと、勘弁です。でもアルクさんだいだい大好きです。もっと描いてください。

他の方のレビューに出ていた「クリーニング店の話」。読まなきゃよかった。ふとした拍子に思い出して泣いてしまうじゃないか。誰かあの子を幸せにしてやってくれ~~！！

「猿喰山疑獄事件」で衝撃を受け、続けてこちらをレンタル。表題作で0話〜12話＋特別編＋4コマ、他に短編が3本収録。猿喰山を読んだ後という事もあり、色々染み渡る作品集でした。表題作は、タイトル通り、苦いのと甘いのがゆっくり混ざり合っていく物語展開。三日月君が強くなっていくのが嬉しくもあり悲しくもあり、サンプルにあるオドオドした彼が色っぽく見えたからかもしれません。これまた攻めが強引に、という風に行かないのがパターン化してなくて良かったです。じっくり時間をかけて読みました。他の短編も、◎。クリーニング屋の物語は、実は最初意味が分からず、ラストのコマを良く見て「ああ」と理解。読んだ時は特別感じる事はなかったのですが、ふと思い出した時、特に自分が弱っている時なんか、ジワッと込み上げてくるものがあります。絵で訴えかけるラストだから、記憶にひっかき傷を残して、思い出させるんでしょうかね。癖のある絵柄に、寂しげな瞳、中毒になりそうです。

私はとても好きです。エロはありませんが人として誰かを必要とすること、必要とされることの喜びがとても心情的に描かれています。続きはないかもしれませんが、読者に今後を想像させる終わり方なのかな、と思います。切ない気持ちや誰もが持っている不器用さを感じ、また共感しながら長く読み続けたい作品です。

うーん、個人的にはチケット六枚の価値には今一歩！でした。サンプルから想定した主人公の性格設定の独特さに惹かれて借りましたが、物語が進むにつれて、せっかくの主人公のキャラが安易な方にずれていっているような印象を受けました。結局美人なのね、というか…。細かな設定で矛盾が多い＋デッサンの狂いが気になって、モノローグが多いわりに感情移入できなかったせいかも。同時収録の作品はいずれも展開の唐突さが気になる感じ。この本のテイストが一番うまくまとまっているのはクリーニング屋の短編だとすれば、表題の主人公ももっともっと手に負えない性格でもよかった！そうするとマニアックになりすぎるか？

超久々に再読しましたが、最高。この頃のアルクさんが大好きだ。表題は、攻めが受けを溺愛、受けは自信なくて儚く綺麗な感じ、突如現れるオカルトな感じなど、アルク作品の特徴的なところが沢山見られます。レビューにもありますが、最後のクリーニング店の話はもう、妄想に頼るか、自分自身を騙して記憶喪失になったふりするしかないです。ホント、アルクさん、まじか、助けて勘弁して、私の心が潰れますと夜中につぶやく羽目になることでしょう。え？かきおろしは？と探すことになりますが、そんなもの存在しません。まさかの終了です。これがあるからアルク作品は緊張するんですけど、でもそれでも読んでしまうこの吸引力がやはりすごい才能を証明してるんでしょうね。

ヘタウマ？的な絵なんですが(時折ハッとするコマがないこともない)、お話に妙に惹かれます。表題作＋3篇のどの話も、基本パターンはほぼ同じで、エリート×暗い子。双方の劣等感満載なんだけど、卑屈というかせつなさの方が前面に。表題作は時系列が飛んでてちょっとわかりづらいかもです。併録されているクリーニング店の話がすごくよくって個人的に好みで、それで★ひとつ増やしちゃいました。エロはほぼないです。BLと言うには文学的すぎるかも。

いや。。お話はかわいいのかもなんですが画面が疲れる。体調を整えてから読まないと素っ飛ばしてしまいそう。実際途中でSTOPしてしまった。気になってるから読み直すけれど時間かかりそう。　多分この作品でナイーブ君が得意ではないのかもと気付かされてしまった。

本編も素敵でしたが、短編のクリーニング屋さんの話で泣けてしょうがなかった。真面目に自分の義務を果たして一生懸命生きているのに、ラストの無くなってしまった店舗のイラストを見て、どこかに救いはないかと切なくなりました。できればこの男の子がこの後、小さくても確かな幸せを手に入れていて欲しいと願います。