レビュー一覧

最初気付かなかったのですが、今作ヒロインの姉の結婚相手サキールの名前をどっかで読んだような、と思ったら今作は佐柄きょうこ先生がコミック化した『砂上の結婚』の関連作なんですね。つまり黒川あづさ先生がコミック化した『君主の誓い』、『裏切られたプリンセス』の関連作でもあって今作が一連のシリーズの1作目のようです。今作の話なんですが、このパターンの話全部に言えることですが、ヒロインが独りよがりだし、父親のことを嫌っている割には父親を信じ過ぎるんですよね。ヒーローは完全に被害者なんですが作中ではなぜか彼ばかり復讐心に燃えていることを非難され続けていてなんだか気の毒でした。ただ４年の間にヒロインは貞節を守り続けていたのにヒーローは他の女性たちと遊んでいたのも何だかなあ、と思いました。コミック版ではそのことでヒロインがヒーローの考え方を非難してあってそこは一寸良かったですけど。それからヒロイン姉リタの結婚式の話が今作では最後までうやむやになっていますが、これは続編の『砂上の結婚』の方で「真相」が明かされます。

結局、ヒロイン父はヒロインとの約束を守らなかったのね？それはひどいだろー。ヒロイン姉は父は変わったって言ってたけど、それなら最初にすることはヒーローへの謝罪でしょ。後から「娘は４年間ずっと君を愛し続けていた」って・・・遅いわ！でもヒーローも憎いからってヒロインをいじめすぎ！

何でこの流れでみんな許し合えるのか、理解できませんでした。ヒーローの決めつけが激しく独りよがり過ぎて、全く魅力的に見えません。

ヒーローがあまりにも頑なすぎてダメです。いくら子供の父親でも、ヒロイン、やり直す気にならないで欲しいとさえ思ってしまった。ハーレクインなのにね。でも、ヒーローのお祖母さんが凄くいい人で、全てを見透せる目をってるみたいで、このお祖母さんが上手く行くと思っるから信じたいと思います。

「砂上の結婚」の妹のお話。お姉さんのお話を読むと分かりますが、ずっと戻っていなかった街に姉の結婚式にために戻ったヒロイン。横暴な父親のせいで別れざるおえなかったヒーローと再会します。ヒロイン父は死にかけて悔い改めたらしいけど、ヒロインからすると許せないですよね。ヒーローとおばあちゃんにちゃんと懺悔して許しを請うべきです。ヒロイン父へのムカつきが終始頭にあって話がイマイチ入ってませんでした。

「君主の誓い」などのスピンオフ第１話だったので、読んでみました。うーん、ヒーローはヒロインにやたら辛く当たりすぎるし、ヒロイン父は改心したとの事ですがそれまでが鬼畜過ぎだし(一応ヒーローがヒロインに辛く当たる事に釘を指しに来たり、馬のお産手伝いをヒーローと一緒に行ったりして、和解に向けた努力をしたのは良いと思いますが)、なんだかあまり男性陣が好きになれない人たちでした…。あと、ヒロイン姉も結婚で頭がお花畑なのか知らないけれど、ヒロインにむりやりヒーローとしつこくくっつけようとしたり、父親と和解させようと説得するのが非常に傲慢で鬱陶しい感じでした。ヒロインはヒーローに一途で、健気でした。ヒーローお祖母さんが都度ヒロインの支えになり、ヒーローを諌めてくれて良かったです。ヒロイン娘ちゃんも可愛いです。なお、他の方も指摘してますが、馬の鼻面が間延びしすぎておかしい時があるのが気になりました。

ヒーローの恨みが頑固すぎて、いまいち納得できないです。ヒーローはヒロインと別れてから女遊びしていたくせに。ヒロインだってシングルマザーで苦労していないわけ、ないじゃない。ヒロイン父も約束は守らない最低人間で、ヒロインの恋を壊したくせに人が変わったからって自分だけフィアンセ作ってどうなの。シャイアン族のヒーロー祖母は公平で素敵な言葉が多かったです。こんな素敵なおばあ様に育てられたはずなのに、どうしてヒーローはこんなに性格のひん曲がった人間に育ってしまったのだろう。

読み終わって、購入したのをちょっと後悔。よくあるシークレットベイビー物ですが、大した盛り上がりもなく終了。馬の顔がとても下手なのがなのが気になりました。

絵がちょっと苦手でした。独特なタッチなので、好みが分かれやすい。

エマンド王国3つのお話の前のお話で、作画が異なるのが残念ですが、これはこれで独立して素敵な話となっています。ヒーローのおばあさまが素敵です。