レビュー一覧

人生をどのように終えるか…本人の意思はもちろん、支える家族の気持ちも大きいと思います。ケースによりますが在宅が良いことと、病院や施設が良いこともあります。死ぬことは日常、というこの漫画を読むと、私も何か病気になった時は家で死にたいなと思いました。看護師をしていて、病院で亡くなる方を沢山みてきました。特に若くして亡くなる方…もっと違う最後があったのではと今でも悔やむことがあります。とても胸に響く一冊でした。

あまり知られていなかった、在宅での看取りについて看護師の視点から描いた漫画…とはいえ、介護する家族の事情や看取られる当の本人の心情を読み取ることもできる良作だと思う。患者や家族のちょっとした言葉の綾や表情から、訪問看護師がいろいろなことを読み取っているのだな、とびっくりした。もちろん、理想的な描き方はされているのだろうと思うが…。看取りを見据えての医師や訪問介護のスタッフなどとのやり取りも見てみたい。

子どもが病児なので訪問看護を利用している側です。(看取りではなく、発育や発達を見て頂く感じですが)こういった漫画が多くなると余命や在宅介護の理解も進むと思います。

知らない事を知ること。大事な事だと思います。特にこれから高齢化でやがて訪れる親の看取り方、お金、行政の事。丁寧な解説で為になりました。48時間と無期限の差がないので無期限にしました。いい作品だと思います。

うちは私が幼少期、母が介護をする経験があったが、今では子供がそういう場面を見るっていうのは少なくなったであろうと。だから老人ホームとかもあるけど、こういう方法もあるのかとか、具体的に困ったらこうしたらいいという知識も載せてくれているから本当によかった。また、きれいごとかもしれないけど、最後ってこういう看取り方もあるんだって参考にはなると思います。それから子育ては終わりがあるといっても初めてだとやっぱりいつまで続くのって心配と不安が入り混じる。そこはやっぱり同じだと思う。　だから気を抜いていいんだ。周りからとやかく言われても思ったことをやっていい。旅行だって楽しんだっていいんだというちょっと気を抜けると思うと気が楽になりました。

がんになった時の具体的なお金の話は良かった。ガン保険も大事だけど、日本の医療制度、高額療養費のこと、障害年金のこと、団体信用生命のことなど、わかりやすくて良かった。何故義務教育で徹底して教えないんだろう？国民健康保険、協会けんぽ組合健保とか違いが差別につながるとか言い出すのかな？でも、例え年々制度が変わっていくとしても、制度があることは、徹底して教えてくれたほうが良いのに。

最近ある小説家さんの介護と看取りのエッセイを読んだのですが、感動する場面もあったのですが、暗い気持ちになって苦しくなって途中を飛ばしたりしました。この漫画も私には合わないかなと読み始めたら、意外にスッキリと爽やかで、とても面白かったです。1話が短いのと、1話ごとのテーマが明確でシンプルなのが良いです。お金の心配のお話は、特に分かりやすくて良かったです。感動する箇所は沢山あったけど、お涙ちょうだい的なシーンがメインの作品では無いです。そこが良かったです。

何気なく読み進めた作品ですが、今まさに母親が脳梗塞で入院中なので、これから先の事を考えるのにも　とても参考になりました。看取りや自宅介護は綺麗ごとではないと理解していながらも、いざ自分の身に降りかかるとどうすれば良いのか。まるで出口の見えないトンネルのような気持ちで現在、ご家族の介護をされている方も多いのではないでしょうか。特にお金に関する話は、誰もが知りたいのでは？介護する側、介護される側、家族であっても個々の感情や事情は様々です。ひとつひとつのストーリーに現実味があり、お涙頂戴でもなく突拍子もない奇跡も起きないですが、それこそが「日常」的で不変的なものなのではないかと思います。非常に地に足着いた作品で、高齢化社会と言われる現代にはこうした作品がもっと出てきてもいいのではないかと思います。

介護する側もされる側、まわりでやいのやいの言う無責任な親戚・・・自分にも介護ができるのか、介護をしてあげたいと思ってもらえるようになれるのだろうか考えさせられます。ずばりタイトル通り、病院よりおうちでしにたいですね。

看取りを身近に感じることがあり、何が正解か分からず悩む中で、この漫画に出会いました。家族の数だけ、患者の数だけ、どれも否定することなく、寄り添ってくれる内容に、ずっとモヤモヤしてた気持ちがどこか晴れるように感じました。