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美しいものが好きなのに「普通」を押し付けられて育ってきた攻めと、出自が理由となり美しさがコンプレックスの受けのお話です。どこかで読んだなと思ったら、「涙BL」に原作の小説が収録されていました。雰囲気はそのままだと思います。美しいとされている受けがちゃんと美しく描かれていることは最大のポイントではないでしょうか。美しさゆえに不器用に生きざるを得なかった十和田という男が、谷にありのままを受け入れられたことによって変わっていく、安定のお話だと思います。

私だけでしょうか？医師からの話はどういう内容だったかが気になった。それでもってのプロローグならかなりくるものがある。読み手に任せるスタンスなのかな。

眼福でした。綺麗、美人、美しさに嘘偽りない…こんなに違和感のない美人さんは久しぶり。絵柄とのマッチングに感謝。登場時には画面からオーラさえ感じました。そして対照的に絵的にはカッコいいのに裏方だという雰囲気が出ている攻めに釘付け。モノローグ多めの観察視点で進むので謎の美人さんから目が離せない感がよくわかります。この原作にyoshiさんの作風絵柄がよくあっていて、描かれていない行間のストーリーも想像できて楽しめました。

自分が「綺麗」であることに罪悪感を抱きそれを拒絶してきた十和田と、（男である自分が）「綺麗なものに惹かれることは変でもなんでもない」とある意味「普通」からの呪縛から抜け出したヘアメイクアーティストの谷。谷に出会って初めて自分をさらけ出す事が出来た十和田の変化がゆっくり丁寧に描かれていてとても「綺麗」な作品でした。”稀に見る美人”設定でも「んー？」というBL作品も多い中、十和田は本当に美しく描かれていて（髪型がちょっと苦手なのですが…）「抱きしめて」「ギュッとして」ではなく「腕に入れて」というセリフにキュンキュンしました。終盤、十和田が薬を常備していたり具合が悪くなったりという事で、私は「十和田は余命宣告されている深刻な病を抱えていて、谷もそのことに気が付いている」と取ったのですが、原作の小説ではそこまで書かれているのでしょうか？具体的には描かれてないものの、最後のシーンはようやく心身ともに結ばれた二人が（退院後も一緒に仕事をし、食べて寝てセックスしていこうと谷が明るく言いながらも）お互いに「一緒に過ごせる時間はそんなに残されてないんだ」とわかっていて共に涙を流す…という優しいながらも切なく哀しいエンディングになっていますよね。谷がお見舞いの花を生けながら「（花は）部屋が明るくなるような色がいい。綺麗で　でも孤独じゃない色」「時間なんてまだまだある」と自分に言い聞かせた上で「これから年取って二人とも皺だらけのジジイになっても、綺麗じゃなくなっても好きだ」とのぞみに伝えるシーンは胸をつまされました。優しい嘘（タイトルのlieはこの嘘では？)をつきながら彼を支え、残された日々を共に過ごしていこうという決意の表れ…　淡々とした短いシーンからそれが伝わってくるので、私は素晴らしいエンディングだったと思っています。ちょっと哀しいラストだっただけに、yoshisanの笑える後書き（谷、蕎麦にフォールインラブ）でちょっと救われました。

待ってました！纏まって読みたかったお話だったので嬉し～い！「綺麗」ということに対してそれぞれのコンプレックスを持つ2人。ずっと淡々としていて抑えた感でストーリーが展開していき、最後綺麗を認め寄り添う2人がやっぱり良いわ～。エッチはほぼないですが、志向的BLとして読み応えがありました。

いやぁ～！よかった！分冊で持ってんですよ、でも、書き下ろし見たさに買っちゃいました。でも後悔はないです。萌えました！絵のとおり、何かピュアなお話。静かにゆっくり、お話は進むのだけど、素敵です♪「腕に入れて」のぞみが谷に言うのが、もぉホントに可愛い！何回も読み返しちゃいました♪

『美しい男』がホントーにホントーに美しく描かれていたのが最大のグッジョブポイントでしたね！ストーリーも、静かに少しずつ2人が近づいていく感じがとても素敵でした。ただ終わり方が・・・不穏だ。これ、原作は続いたりしてないですよね？ちゃんと幸せになってほしいーっ！二人の未来に幸あれ（涙）

すごく好きな絵でした。受けは美人さんで攻めはカッコいい。二人とも自分を否定されて生きてきてやっと本当の素でいられる相手に出逢えた。時間をかけてゆっくり関係が深まるのがよかったです。ただ、受けの病気は深刻なものなのか、過労くらいのものだったのか、よくわからず。三年のその後、どうなるのかモヤっとしました。ずっと幸せだと思いたいです。

後半，季節が移った瞬間，桜の持つイメージが私に胸騒ぎを…　短編の原作小説があるということで，そちらも読んでみた。コミックは原作に非常に忠実に（だから，淡々と進んでいる印象），でも非常にわかりやすく視覚化していると思いました。二人とも感情を表に表すことがあまりないのと画が雰囲気によく合っていて美しい。ただ，最後の涙のシーンは大幅に変えてきた。個人的には小説の方が涙の方が良かった。ただ，コミックのラストカットは，谷の美しい一筋の涙。この美しさと忍び寄る時の残酷さが相まって心が持っていかれた。このカットは原作にはないけど，かなり効果を発揮したのでは（少なくとも私にはテキメン）のぞみの美しさに焦点が当てられているけど，わたしは谷の美しさに終始目が離せなかった。

他の方もみんな言っていますが、とにかく絵が綺麗です。それがストーリーとよく合っていて、独特な静寂感のようなものが漂っています。そしてやっぱりラストに不穏な雰囲気が… ちょっと悲しい結末を示唆している気がするのは私だけではないようですが… 続刊があるのでしょうか？