レビュー一覧

古代史が好きでレンタルしました。非業の死を遂げた大津皇子の心に寄り添おうとする耳面刀自の慈悲がとても清らかで美しいと感じました。大津皇子の母親である太田皇女が夭折していなかったら、持統天皇に草壁皇子がいなかったら、大津皇子が天武天皇の下で育っていたら、違う運命だったのかも知れないと思いながら読みました。

面白い。折口信夫をわかりやすく教えてもらいました。次は本を読みたくなりました。

「日出処の天子」のよう。時代も雰囲気も似ていてシンプル、静寂がみなぎる。こういうコミックが読みたかった。

折口信夫の名前を最近見たところでした。近藤ようこさんの作風と折口信夫は合っていると思います。

現代目線で姫を考えると、自我を起こさないよう男たち、古い女たちに抑えつけられたなかでも聡い性質ゆえに何とか自ら知識を得たいと考えるに至る。得られた知識が仏であり、それを基に思考し、自らの意思を発したらこうなった、というようなお話でした。時の権勢の男や好色な男のいうなりにならずに自我を表せたのは良かったね、とも思うのですがなんとも、今とはまた違う生きづらさだなぁと考えるのでした。伝説をベースにした小説が基のこのマンガ、とても好きな作家さんの描きがさすがの魅せ方でした。とはいえ、大津皇子の荒ぶる魂が鎮められたのかは、私には分かりませんでした。やまとのしきたりに従って生きて殺され、しきたりどおりやまとを守る礎にされた皇子が異なる世界の理、ことわりに鎮められたのだろうかと疑問だからです。

折口信夫の著書、人形劇作品、そしてこちらの漫画を読みました。幻想的で清らかな世界をより深く堪能できました。心洗われます。古代人の考えにもふれることが出来ました。

流石の古典。なかなか手強い、とはいえ難解すぎることもない。静謐で緻密な筆致に慣れたら楽しく読めます。

今は昔の話し,,,時の流れを、ひしひしと感じさせるものがありました。人の営みは今も昔も基本的に余り変わらないのだと改めて感じさせるものがありました。ただ、自分の至らなさゆえ読みずらかったのも確かです。下巻のみの購入でしたので、上巻も読んでみようと思います

折口信夫を先に読みましたが、原作の雰囲気がうまく再現されていると感じました。特に死者が近づいてくる場面の不気味さと哀れさ、古代の夜の暗さ、ヒロインの健気な美しさは、漫画ならでは。何度でも読み返したい作品です。