レビュー一覧

自分がカルト信者だったことを告白する勇気ある著書でした。読めば読むほどカルトの連中がしていることの滑稽さに失笑を禁じえません。同時にこれを何の疑いもせずに受け入れて妄信している人々がこれほどいるのだという事実に戦慄も覚えます。作者は青年期の時期に家庭内の不和、将来に対する漠然とした不安、それらから生じた心の隙間にまんまとカルト宗教が入り込んでカルト活動に青春を捧げてしまった愚行を事細かに記しています。心が弱った隙を見逃さずに襲い掛かってくる狼のような連中。それがカルト集団です。今現在もこんなのが世界中にうようよいるのだという事実に恐怖を覚えますが、心がさまよっている人々のストッパーの役目を本作が担ってくれることを祈ります。

作者が過去にハマッてしまったカルト宗教について、結構大胆に暴露されています。作者さんの身に危険は及ばないのか、ちょっと心配になります。ググってみると実在する宗教で(作中では名前は変えてありますが)、確かに教祖が漫画に出てくる人と似てる。グッズを買わせたり、高額なセミナーをすることで儲ける宗教。何でこんなのに騙されるの～？と疑問に思いますが、それに騙されてしまうような心の状態の人につけ入るのでしょうね。作者も今でこそ「アホらし」と思っていますが、当時は真面目に修行？していた訳ですからね。そして宗教特有の自己中心的な教えを信じ、未だ言ったことを後悔するような、人間として絶対に言ってはいけないような発言を悪びれもせずしていた。多分どんなに罪滅ぼしでボランティアをしようと、作者さんの罪悪感や後悔は一生消えないんだろうなと思います。こういう作品を読むことで、改めて宗教のおかしさ、恐さを知ります。

この作品の冒頭には、どうして作者がこの作品を描こうと思ったのか、という点と、この作品に込められた思いが述べられていました。最後に、あとがき、として、描いてみた後の感想も述べられていました。はじめに、と作品の冒頭に書かれている作者の思いを読んでからの御購入をお勧めいたします。

カルトにはまる人を不思議に思っていましたが、信じてしまい、非常識な事でも平気でしてしまう心理を実体験として書かれていて、カルト宗教の怖さを感じました。騙されないと思っている人でも危ないので、予防としてひろまってほしい本です。

あの教団か...ってわかってから読み進んだので、さらに興味深くおもしろかったのですが、わからなくても読ませてくれます。

カルト信者を信仰していた人の視点から描かれている漫画で、興味深く読みました。カルト宗教は怖いと思います。