レビュー一覧

ボーッと生きてるので本作の存在を3巻が出るまで知りませんでした。タイトルで内容に思い至るのはほぼ期待できないし、表紙絵から作者の画力・構成力まで読み取るのも難しいし、題材は馴染みがないし。その馴染みのない世界についての解説もほぼないという、おそろしく愛想のない作品だとは思いますが、ぜひうっかり読み始めてください。まったく問題ありません。めっっっちゃ面白いです。選び抜かれた言葉と画が、練り上げられた構成で提示されるので、一気に引き込まれます。みなさん書かれている通り、作者の力量が圧倒的に高いのです。暗黒の中世東〜中欧を全力で生きた男の物語で、出てくるのはほぼおっさん。3巻でようやく「きれいなお姫さま」が出てきたと思ったら強くて怖かった。。。本作には少なくともここまで、日和る人が１人も出てきませんね。我々は史実を知っているのでこの後を思うと複雑ですが、同時代の光の申し子のようなあの皇帝との関係など物語としても素晴らしく、展開が本当に楽しみです。これの副読本とか出たら面白いんだけどなー。無愛想だから無理かなー。

非常に重厚な歴史物で物語にすぐ引き込まれました。大国ハンガリーとオスマン帝国に挟まれる小国ワラキア公国の君主ヴラドが謀略渦巻く政治の場で辣腕を揮い、権謀術数でもって政敵としのぎを削るさまがかっこいいです。間延びした展開は一切なく、必要最小限のスタイリッシュなストーリー進行が素晴らしい点なのですが、だからといって説明文を入れた箱が乱立するような手抜きのコマはありません。これは作者様の構成力のたまものか、特に主人公であるヴラドが冷静で冷酷に見えて、実は激情家なのではないか、と小さなコマに描かれる表情豊かな手に垣間見えるのが上手いな〜と思いました。敵も味方もサクサク死んでいく感じもまた血生臭くていい感じです。三巻が出るのが待ち遠しいです！！

歴史漫画ジャンルにおいて最高レベルじゃないかと。時代背景がしっかり理解できるが説明が長々としつこくない。妙なフィクションもあまりない。全体的にミニマムに纏まっているが、それでいて人物の魅力や情熱、執念がビシビシ伝わる。東欧史はいつか深く調べたいと思っていましたが、さらに興味が湧きました。ヴラド公はもちろんですが、メフメト2世がむちゃくちゃかっこいいです。史実はわかっていますが先が楽しみで仕方ない。

ヴラド公に昔から興味があったので凄く面白いです。絵もいい感じに美化していて読み易い。これから彼が伝説の人になってゆくのでしょうが、怖いけど楽しみです。残虐なだけではなく、彼の葛藤や悲しみなども知ることにより一層、興味が湧いています。

他社のバナー広告がきっかけでこの作品を知りました。レビューが少なくチケットもやや高いので少し心配でしたが、大満足です。1巻から主人公が妖しい雰囲気を醸し出しているのでこの先どうなるか気になります。歴史に無知ですが当時の衣装や建物も丁寧に描かれていて勉強になります。

今やありとあらゆる史実を題材に数々のマンガが作られて人気を博しているわけですが、私にとって「昔の東欧」は夢の舞台なので有名なヴラド・ツェペシュのこの物語は今後が楽しみであるとともに背景、美術など、作者の勉強振りに尊敬を感じざるを得ません！凄い…続巻が楽しみです。

名前ばかり有名であるがその実態は殆ど知られていないヴラド・ドラクラ を主人公に持ってきた作者の着眼点に敬服である。重厚な歴史ものらしい正統派の描き方も物語のテーマや雰囲気とよくあっている。ただ読者側の基礎知識のなさが災いして若干話の展開がわかりにくいところがある。絵柄がやや固く動きが拙いところがあるのが残念である。

ヴラド・ツェペシュの生涯に興味があって買ってみました。よくぞこのテーマを描いてくれた！…と素直に思います。物語全体に漂う陰気な空気に圧倒されます。

面白い！余計なものをそぎ落としつつ、すごくわかりやすく、かつドラマティックに描かれており、ぐいぐい引き込まれました。人物再解釈ものは、なかなかラストまでいかないことが多いので、がんばっていただきたいです。

表紙のヴラドの顔面が好みで読みました。表紙だけでなく中身も黒髪のうねりが丁寧に書かれていて大変麗しい。ものぐさ、消極的みせてとても大胆なヴラドの次の一手にワクワクしながら読めます。