レビュー一覧

作者買い。現実か妄想か、はたまた夢なのか、あるいは幽霊か、という不思議なお話。ごく普通の恋愛ものを読みたい方には合わないかもしれません。挿入も水分もなし。なのにどうしてこんなに官能的なのでしょう。弟の身体を通じてしか触れ合えない二人。しかしだからこそ触れ合えない二人。こんな異常な状況下でないとさらけ出せなかった男二人の叫びのようにも聞こえ…。ホントまさに男同士の世界をまた堪能させてもらいました。感謝。

以前、西田さんにどハマりして大人買いして一気に読んじゃって、そうするとわりとパターンのある作家さんなのかどれがどれだかゴチャゴチャになり、、もっとひとつひとつ大事に読めばよかったと後悔したんですが。今回のはパターンにはまらなかったです。覚醒しかかってるのに動けない、半分夢で半分現実みたいなドロドロの意識のなか物語が進むのでなにがなんだか。事件は解決したものの、えっ終わり？！どういうこと？？みたいな。今回ほど例のあとがきが憎かったことはないってんですよ！！で、すぐに再読したんですが、これがおもしろいんです。いろいろ見えてくるというか、、あれっ、わたしが鈍いだけかな？！みなさんは初見でわかるのかも。とにかく、不思議な感覚でした。

星4.5。本作はBLではあるけれど全編に渡り友人が生きてるのか死んでいるのかというミステリー色も濃い作品であり、色んな意味でドキドキしながら楽しめました。直接的なエッチはなかったんですが、二人がお互いをどれほど好きで大切に思っているかは充分に伝わってきました。作者様の絵は作品を経る毎に洗練されていってる気がしますね…色気のある眼差しに胸がきゅんきゅんしっぱなしでした。星５じゃなかったのは、二人のイチャイチャがなかったから…最後に見たかったな。でもあえてそういうシーンがないのがこの作者様なのかな。

ほんっとにこのお方はマエストロだ…！更に色香が増した流麗な絵で、切なくて、悲しくて、愚かで、だけど人生、捨てたもんじゃないって泣けてくるような物語を、紡いでくれる。これは大人のお話。滑稽だけど、美しい。読む人にとって、心が軋んだ時によく効く、心のサプリメントだと思う。

作家さん買い！今作はちょっとシリアスタッチで不思議なお話。行方不明の影山を必死に探す日浦。夢にまで見る影山に次第に惹かれていく日浦。この展開がジワジワ来ます。読みながらドキドキしましたし、面白かった。事件解決後はもう少し甘くして欲しかったな。残念だったのは瓜二つの弟が出て来ますが、この弟もミステリアスな感じなんだけど後半でプッツリ出て来なくなっちゃって？？何だったんだろ？でも社会人物なら西田さん。コレは間違いじゃ無いです。なので中途半端な感じもしますが贔屓目でこの評価になりました。

サンプルも見ずに即購入。文句なしです。やっぱり好きだ。今回は特に奥深いというか、味わい深い展開でした。最後の最後まで影山兄と弟の混濁具合を理路整然とつまびらかにしなかったところが、かえって影山の複雑な心裡をあらわしていたように思います。それに加えて実に目で語らせるのがお上手ですよね。惚れ惚れしてしまう。明朗なのに「影」と、堅物生真面目なのに「日」、どちらも非常に魅力的な主人公たちでした。それにしても西田さんの描かれるオトナのオトコの裸体はいいなあ…。逆に言えば、こんな整った身体のオトコは西田さんの世界にしか存在しないわけですが。

凄くいいです、これ。いいんですが、１回読んだだけではよくわからなかった。結局弟くんはどうした？２回３回と読んで自分なりに理解しました。弟は弟ではなくお兄さんの生き霊のような感じで身体を提供していたのか。そう考えると色々納得できました。ただ影山が甦ってからのイチャイチャラブがなかったのでマイナス１で。

出れば内容不問で即買いする作者様です。毎回似たような雰囲気のキャラ達なんですが毎回ちゃんと面白い。そんな中でも今回のはちょっと異色といえる作品だと思います。オカルトというほどでもないけど現実にはありえない不思議な展開が主たる筋ですが、西田さんの過去作にそういった系統のお話があまりなかったので、ちょっと予想外で新鮮でした。兄が死んでいて弟とくっつくのか、実は兄が生きていて再会するのか、読み手がどちらの展開を望むかでテンションが変わりそうです。

ちょっと不思議なお話でしたが、プラトニックな切ないお話でした…！良いお話だった…。もうちょっとくっついた後のイチャイチャも見たかった気がしますが、あらかた満足です！

一度ハマると抜けられない沼な西田東ワールド。スーツのリーマンものが好きな人には一度は読んで見て欲しい!こんなにも深くてリアルでエロ無しでも堪能出来る大人BLは他にないと思う。