レビュー一覧

傲慢で無神経なヒーローが、最後はヒロインに歩み寄るハッピーエンド！ライバルかと思った美女が応援してくれて、一番の活躍をみせました。

原作は千家ゆう先生がコミック化した『麗しき罪人』の関連作なんですが、設定やストーリー展開が原作とかなり違っていますのでコミック版だけだと『麗しき罪人』と話の整合性がとれていなくて混乱します。原作はヒーローがヒロインを愛人扱いするのが傲慢だからというよりは他人の気持ちを察する能力も配慮する能力もない人だから、という印象のキャラで、前作ヒーローのレオからも精神的欠陥があるのではと疑われていた位ですが、コミック版はページ数の都合なのかその辺があっさり気味です。また原作では再会後もヒーローが墓穴を掘る発言ばかりしてヒロインを激怒させて、何で怒られたのかも解らず帰ってからアンナとレオに報告して説教を食らって反省・学習してヒロインの家にまた出向いて、という作業を何回も繰り返す(読み返すと結構お笑いシーンです、このあたり)のですが、コミック版はこれもページ数の都合なのかすごくあっさり解決しているのが何だか残念でした。ただ建物の絵は今回も素敵でした。

可憐で優しく一途なヒロインに、放漫なヒーローが最後にひれ伏します。先の展開が読めますが、切なさの後のハッピーエンドがハーレクインの醍醐味で何度も読み返しました。

愛を信じないヒーローと、愛にすがったヒロイン。当然そんな関係が上手く行く訳はなく、思い悩むヒロインの表情はとても哀しい。作者得意の美しい作画の描写の中、不毛な愛が際立つ。ラストのハッピーエンドのコテージの作画は、今までの憂いある雰囲気が消えて、日の光が優しい♪ヒーローの友人カップルがイイ感じ出してる。もっと出番があっても良かったな♪

「麗しき罪人」の関連作品です。ヒロインは旅行先で知り合ったヒーローと過ごすうちに溺れちゃいましたね。でもヒーローの「愛人」や「子供なんてもつ気は無い」という言葉に傷つき、妊娠が分かったあとに自称ヒーローの婚約者の母がやってきて侮辱されたヒロインは姿を消します。うだうだするヒーローを説教するアンナはこんな人よね。でした。おかげでヒロインを会いに行けました。そしてひっそり結婚式を挙げようとしたらヘリで登場したアンナとレオ。この夫婦好きです。

光崎先生のマンガはいつも背景が丁寧で、特にお城や豪華なお部屋などがとても素晴らしいです！ゴージャスな世界観に浸りたい方にはおすすめです。