レビュー一覧

このシリーズは結構前に購入はしていたのですが、藤田和子先生がコミック化されるとのことで再読してみました。ジュリア・ジェイムズ作品のヒロインは、愛するにしても憎むにしてもヒーローしか視界に入っていないタイプのキャラが結構出てきますが、このシリーズのヒロインたちもそういうタイプです。今作の前半はそのヒロインのキレッぷりに「いやー、ちょっと」と思ったのですが、後半はヒーローのキレッぷりに「は?　何言ってんのお前」となってしまいました。毎度のことですが、ハーレクインのヒーローって何で自分が原因でヒロインとの仲を壊しておきながら、妊娠を告げなかったことを詰るのかなあ？　それはさておきこの作品、最大の読みどころはヒロイン母のキャラです。初読の時は終盤のアレに本当意表を突かれましたし、結果作品全体もお母さんに全部持っていかれた感じで、星の数も1個プラスにしました。しかしこのヒロイン、どんだけお母さんにも世間の動向にも関心が無いのよ?　なお作中で言及されているニック・ファルコーネは"Heiress's Pregnancy Scandal”(今のところ未邦訳)の主人公です。こちらの邦訳も待っています。

ヒーロー、最初から何だか情けない態度とかとってしまう残念な男性でしたが、一途にヒロインを思い頑張る姿は好感を持てました。

ジュリアジェイムスの作品て男女が戦いさながらのいがみ合いを展開するのがつねですが、この作品は最初？あれ、何これありきたりの展開でトキメキがないし、駄作かな、あーあと思ってました、が！後半になって戦いが始まり、また思いもよらない大どんでん返しが待ってました。さあ読んでみてください。

出会いからお互いに夢中になっていたヒロインとヒーロー。お互いに将来的な事を感じていながらも、問題があった事もあり家族については何も話さずにいました。そのせいかヒーローは家族絡みで苦境に立たされてもヒロインに説明する事を後回しにしてしまい、二人のすれ違いが始まります。再会しても１度できた二人の距離は簡単には埋まらないので、その辺りのやり取りがもやっとするかもしれません。

お互いに相手の話を聞かないという、お互い様でしたが、意地をはらないで、歩み寄って幸せになろうと努力出来て良かった。