レビュー一覧

オリヴィアのキャラが原作と大分違っています。コミック版では彼女が「あのこと」をしたのは魔が差した感じでしたし、少なくともヒロインたちに対し罪悪感は抱いているようで、原作に比べると根は悪い人じゃない感じです。まあ、どっちみちやっていることは悪いけど。それ以外にもこのコミック版は原作と違う点が多いですが、一番良かったのはキット君が病気になってヒーローが看病し、2人で話し合うコミック版オリジナルシーンです。あの場面でキット君がヒーローに浴びせる非難も「よくぞ言ってくれた」というものでしたし、非難を真摯に受け止めている点も含めヒーローが本当に息子を大事に思っているのも原作以上に伝わるシーンになっていました。少なくとも原作でのヒーローがヒロインをセックスで屈服させようと毎日頑張るシーンよりは断然良かったです(笑)。ただヒーローは原作よりはクズ言動が相当減らされていますが、あとがきで突っ込まれている通り当時23歳の男が当時16歳の女の子に手を出したという時点で立派なクズ野郎ですね(苦笑)。

子供、ホントにいい子だぁ！母の苦労を父に怒ってぶちまける。

10年は長いなぁ・・・。にしても、息子、グッジョブ！ヒーローは傲慢で無理やり結婚まで持ち込んだけど、ちぐはぐしていて、息子がヒーローを責めてくれてようやくヒーローは改心してくれる。ヒロインの苦労がようやく報われました。良かったー。

息子くんがヒーローを責めるところが一番ぐっと来ました。そして、最後のあとがきで全て持っていかれました。確かに、ヒロインの年齢考えたら、ヒーローは最低だわ（笑）

先生の作品を読んで原作が気になり、原作を借りて驚く事が多い。今回もそのパターン。断然こっちの方がヒーローもヒロインも素敵。特にヒーロー。こんな素敵なヒーローを期待して原作読んで後悔。オリヴィアについてはまるで別人。笑 最初こんなに良い人にする必要があったのかと疑問に思いつつ、終わり方を考えると上手くまとめたなと。原作もヒーローはヒロインに夢中です。欲望に忠実なだけで。16歳のヒロインに手を出すだけの事はある。

あとがきで作者さんが私の言いたいことをズバッと言ってくれてます。色々なことがパズルのピースが収まるようにうまく行って、暖かな気持ちになりました。でも何よりも悪役のあの冷たーい目が一番良かったです。

原作にすべきか悩みましたが、コミックの方が良い人たち、とのレビューでコミックに。確かに子どものセリフ、グッときますね。意外とヒーローがクズ男でない、手を出すのもね仕方ないかな。だってあんなに他の男にいきそうなら、だったらって思うちゃうよねー。

荻丸雅子先生の作品は待ち遠しくって、今回も裏切らなかったです。とにかく登場人物の表情に迫力があり、表現豊かです。ありふれたHQ作品もこの先生の魔法にかかれば数倍楽しめます。ひと言で言えば、ヒロインがヒーローに頼らずこどもを育てていたお話ですが、このお話は、ヒロインとヒーローだけに重きをおかず、周りの登場人物も大事なアクセントとなっています。母の立場、こどもの立場そしてライバルの女性。それぞれが生き生きとした表情でとてもよかったです。

悪女の仕業で引き裂かれた二人が再会してハッピーエンド。ヒーロー父が孫の顔を見ることができなかったのは自業自得ということで。

他人の悪意もあってすれ違いになった2人が10年後再会してハッピーエンドは良いですが、この手の話、再会するまでの時間が長い気がしますね。もっと真剣に相手に接する努力をして欲しい気がします。それが息子君のヒーローへの言葉に凝縮されているような…あの時の息子君、さながらお姫様を守るナイトのようでした。