レビュー一覧

若いのに芯が強く寛大で、心の優しいヒロイン・アリシアがとても魅力的です。レディなのに優秀な馬の調教師でもあるというのも新鮮で、馬とのやり取りが心に響く重要な役割を果たしていました。人や動物の感情に敏感なアリシアが、ヒーロー・ダルトンだけでなく彼の家族をも癒していく過程が素敵です。ストーリー的にもミステリー事件あり、明かされる秘密あり、家族の憎愛ありと飽きることなく読めますが、何にも増して印象深いのがアリシアの魅力溢れる人物像でした。アリシアとダルトンのやり取りも楽しいですし、主人公二人だけでなく彼らの家族をもハッピーエンドに誘う話運びに心が温まりました。私自身もアリシアの言動に癒されたくて、今後も何度も手にとってしまうだろうなと思う作品です。

内容は充実していて面白い。もう少しロマンスが欲しいかな。

男爵令嬢でありながら、身に覚えのない立場に立たされ、醜聞を流され不埒な女性とされたヒロインが、その天性の優しさと感性豊かな心で、優秀な調教師として荒馬と対峙することで、醜聞を忘れ、結婚を諦めていたところに現れたヒーロー。公爵であり、馬のオーナーとしても名高いヒーローと馬という共通点から始まる、ヒーローの家族や馬、ヒロインの醜聞にまつわるアレコレを上手に絡ませながら、家族の中に影を落として来た幾つかのことや隠された秘密など、飽きのこない展開が満載されていて、魅力的なヒロインを見守る気持ちで、気が付けば読破していました(*^_^*) 最後は分かっていてもじーんとしてしまいました(^o^)/

困窮するヒロインを救い出す、というシチュエイションがほとんどと思われる中にあって、この作品は全く異なる切り口で人間模様を描き出していました。何度も繰り返し読みたくなる作品ですね。誤解から自分に背を向けた夫を慕いながら胸が潰れんばかりの思いを抱き、それでも揺るがずに立つその姿に感動が呼び起されました。最後は最初の出会いと似たような情景だけど、お互いがお互いを呼び合う新しい空間に未来の明るさを予感させるシーンでした。

ロマンスよりも調教師のヒロインと馬のかかわりと、公爵家の愛憎劇の方が印象に残るお話でした。心に傷を負った公爵の愛馬を再起させる過程が、そのままヒーローやヒーロー母に当て嵌まるんですね。凄い毒親だと思っていたヒーロー母が、ヒロインによって救われた事にじーんとしました。ヒロインの素晴らしさに比べて、ヒーローは公爵の身分で35歳の割に子供っぽくて残念な人です。傷付くと一方的に怒って殻に閉じこもってしまいます。ヒロインは面倒臭い家族にロックオンされたなと思います。

アリシアはとても強い女性ですね。不名誉な立場になってもプロポーズを断るなんて…公爵と結婚して幸せになったので終わりかなと思ったのですが公爵の妹や公爵夫人の問題があって読みごたえがありました。でもアリシアの父親が好きになれなかったです。

本の題名を見た時は余り期待していなかったけど、読んでみたら凄く面白かって！題名の表紙の挿絵からは想像出来ないくらい、内容は面白かったです。もっとエピソードが読みたい。続編があると良いなぁ〜

ヒロインが良い子すぎ！　若干ヒーリング入ってて胡散臭いけど、でも感受性豊か…って思えば許容範囲かな…と。他人はスゴく癒せるのに、自分のことになると途端に臆病で、間違った方向に誤解しまくりで、じれったさ満載でした。