レビュー一覧

ある意味衝撃的でした。好きか嫌いか賛否両論分かれる内容です。コミックの方の評価を読んでも、ヒーローに対する意見が辛辣でした。妻子と死別したヒーローにとって、幸せとは何か……これは「許し」と「再生」の物語です。ヒロインがかたくなな態度を取り続けたヒーローに対する「許し」の物語。ヒーローが再び幸せになることを、自分自身に対して「許し」を与える物語。その先に待っているのは、新たな人生を歩みだす「再生」の物語。深い題材なので、途中で胸が痛くなりました。ヒロインが可愛そうと簡単に片づけず、全てを失ったヒーローの気持ちにも着目しました。他のハーレクイン作品と違い亡くなった妻子と幸せに暮らしていただけに、ヒーローの心も閉ざされてしまったのでしょう。愛を欲望と混同したのもそのせいか……ヒーローが激しいのには、ちょっとビビりました（お国柄の違いでしょうか？）　何度も繰り返し読むうちに手元にも置きたくなって、古本屋でGETしてしまいました。私には★が足りないです。

これは単なるロマンス小説ではないと思います。こんなに優しく深い愛情を持っている女性っているのかしら…と思うくらい優しさと強さをもったヒロインです。ヒーローの激しさに批判もあるかもしれませんが、人生の一番大切なものを突然奪われて心を失ってしまったら、実際そんな風になるのも不思議ではないのかもしれないと想像します。とは言っても、何度も何度も畳み掛けるようにヒロインを傷つけ続ける姿に、途中で読むのが辛くなって胸が痛んでたまりませんでした。他の小説とは違って格段に印象に残る作品、そう断言できます。何度読んでも胸の痛みは変わりませんが、それでもサラが起こした奇跡を感じたくてまた手に取ってしまいます。無期限に借りられて本当に良かった！

今までにない作品で衝撃でした。ヒロインが駆け引きなしで、ただただヒーローのことを想い、全てを許し愛情を示します。これまで読んだ作品なら、ヒロインがかたくななヒーローに疲れて姿を消し、そこでヒーローがヒロインへの愛に気づき追いかけるというパターンで、ヒーローの落ち込みっぷりにスカッとするところですが、このヒロインはとにかくヒロインの気持ちを第一に考えて、ひたすらヒーローの側で待ち続けます。そして、不思議とヒーローの気持ちにも共感してしまい、私も許してしまいした。ヒロインの愛情深さが伝染したのかしら？

読んでいて辛い話でした。ヒロインのヒーローを愛する感情。ヒーローを癒してあげたいと思うけれど、決して受け入れてもらえないこと。妻であるのに、前の妻以上になれないこと。そして、何よりもヒロインの妊娠を機に、ヒーローは彼女を愛していることは認めるが、子供だけは欲しくないと中絶を望む。それだけは絶対にできないと産むことを決意するが、ヒーローは子供とは一切関わらないようにする。ヒーローが酷い！と一概に言えないのが辛い。彼の苦しみも分かるが、一人で妊娠に耐え、産んでからも一人で育てているヒロインに涙が出てくる。最終的には何も出来ない小さな命がヒーローを過去から解放します。そして、それを与えたヒロインの愛は凄い。亡くなったお兄ちゃんズと生まれた赤ちゃんのことを考えるとまた涙が出てきます。

愛情深い人達のお話で、良かったです。無期限にするかは思案中。ヒロインが、怒ったり喚いたりせず、穏やかで思いやりある態度をとるのは実に好ましいですが、自信の足りない態度や、悪い結果を心配して朝まで同じベッドで寝たいとすら言わずにいるせいでお互いに寂しい思いをするという不毛さには共感できません。もう少し自分を信じられれば、愛していると言われる前から愛されていることが分かるはずです。後ろ向きな態度ですれ違いを作らなくても、ヒーローが家族の死を乗り越えていく中での困難もっとあって、物語に必要な障害になり得た筈です。その辺が残念。

とても深いお話です。この頃のリンダ・ハワードの作品は表現力豊かで、登場人物の感情も繊細に描かれていて大好きです。このヒロインは本当に素晴らしい女性です。ヒーローの言葉に一人涙することもあっただろうに強くて愛情深いです。ヒーローひどすぎ！と思うこともしばしばありましたが、愛する家族を一度に失ったあとはそうなるのかもしれません。涙なしでは読めませんでした。

あまりにもヒーローが悲運過ぎてあんまり喜べない。

ヒーローが酷すぎる、辞めてしまえばいいのに、と思いつつ、ヒロインの気持ちもわかるような。もやもやしますが、気がつくと定期的に読み返しています。

これは賛否のわかれる作品だろうなー。私はめっちゃ好き。ハーレクインだと頑ななヒーローにたまりかねて家出したり誰かに説教されたりと、ヒーローにお灸を据えて反省させるパターンが多いんだけど、この作品ではヒロインはひたすら愛しひたすら待つ。ヒーローはきちんと自分で葛藤し自分で気づくって言うところが特に好き。2人がハッピーエンドに辿り着けたのは理解ある周囲の人がじっくりと見守り支えてくれたお陰で、そんな人が周りに居てくれるのは2人が人徳ある人だからなんだなーって、心が洗われる気持ちになった。

紙で持っています。静かな健気なヒロインとヒロインに比べると子どもっぽくもありますが、男らしいヒーローが大好きです。リンダさんの本はほとんど読んでますが、中でも癒される話です。