レビュー一覧

恋っていいね。魔性のゲイ・ヨーイチ(笑)が、家庭教師の教え子で、才能あふれる プロのバレエダンサーを目指すナナオ君と恋におちるお話です。とても切ない。けどイイ！！ナナオ君がさ、最初はやんちゃな17歳で、徐々に男になっていくのがまた・・・そして最後はスパダリに成長するのが見れて、ファンタスティックでした～。登場人物の背景がしっかり描かれているので、リアルです。このリアルさは他作品では類をみない安定感です。とくにblでは。ということで読後感が素晴らしい作品となっております。恋と青春と、登場人物の「人生」をともに共体験できる、良作であると思いました。

才能溢れるバレエダンサーである教え子に恋してしまった家庭教師の澤。身体の関係だけ、と自分を抑え続けるものの、輝きを増し続けるダンサーを隣に置いておくことが次第に辛くなってしまいます。別れがあり再会があり、切ない恋は劇的なハッピーエンドへと。少女漫画的ストーリーもこれはすごく惹かれるものがあって面白かった。この方が今後ももっとBL描いて下さるなら、多分全部読むと思います。ただ本作は二人とも貞操観念緩いのが抵抗あって好きになれなかったなぁ。カテキョは私もしてましたが、ないでしょ～そんなうらやま…いや恐ろしいこと。関係の始まりも再開後も、澤の流されやすさには笑えてしまいました。気持ちはわかるけどね。でもちょっとは自重もしてほしいですよ私は。

これはBL、これはBLじゃない、とかくだらない概念だと常々思っているのですが、わたしの脳は「BLじゃない」というジャッジをくだした。なぜだ……。先生の作画がかわいすぎるから？エロシーンがエロくないから？先生の裸が柔らかそうだから？自分への宿題にしたいとおもいます。

好きな漫画家さんがBLを描いてくれる…こんな幸せがあるでしょうか！！あ～もう最高です！家庭教師と生徒、ありふれた題材なのに読者をこんなにもグイグイ惹き付ける魅力は、作者様の圧倒的な画力のなせる業。絵だけではなく、主人公の心情を丁寧に描いたストーリーは胸に迫り、二人の長い年月に最後は思わず涙が零れました。作者様、これからも是非是非BLを描き続けてくださいますようお願いいたします！！

とても、いいお話でした。ただ、自分のBLでの好みからははずれてました。

もの凄い良かった！　ナナの奔放なところが、先生にあと一歩を踏み出させない、大人な対応をしなくちゃって。お守りを机の上で見つけた時の淋しさ、でも、ナナはお守りよりも大切な先生から借りたものが、一番の安定剤になっていたけど、それを先生は知る由もない。家族のこと、仕事のこと、色々な柵がある中で、ナナに振り回されながらも、自分は、もう本気になっちゃ行けないんだ、と留まるようにしてきた葛藤が、とても丁寧に書かれていて、感情移入して読むことが出来ました！　初BLとのことですが、もっと沢山BLも描いて欲しいです！

画力もあって、ストーリーもこなれているのですが、なんか全てが古かった。たとえ絵が古くても、センスが新しいと読めるのですが、この作品はどっちも古い。作者様は、少女マンガで培った作画や物語の展開力をＢＬでいかんなく発揮したかったのでしょうが、私にとっては、ちょっと残念な作品でした。巨匠が、さびれた町のあんまり人のこない駅の壁に、ちょっと似つかわしくない大きな重い油絵を描きましたっていう感じです。

レビューがよかったので期待し過ぎたのかも。あっという間に体の関係になり、離れて時間が経ち、あれよあれよとくっついたという印象。澤にもナナにも感情移入出来なかった…こういう感想もあったということで。評価を下げてすみません。

一冊丸々同じCPのお話で、十数年の時の経過があります。基本受け視点で話が進んで行きますが、その時代時代（攻めが高校生で受けが大学生で始まり、終わる頃にはどちらもがっつり大人になっています）の若さ故の思いの交差というかすれ違いがあり、綺麗事だけで済まされない流れが、後半の色々な経験を経たことで得た大人故の諦めや諦めきれなかった思いを引き立たせていたのでは、と。前半は攻めの身勝手さにイラッとし、後半は受けの割り切った諦めにモヤッとしましたが、現実ってこんなものなんだろうと思わずにいられない生々しさでもあり、綺麗事だけでは済まされなかったのが、かえって胸に響きました。最後の最後、攻めが渾身の愛を表現してくれたので☆5つ！これがなかったら☆4つだったかもなくらい、最後の最後にやられました。

話的にはまとまっていてよかったけど、もし取材で再開しなければきっと一生会わなかったんだろうと思うと、もう少し2人の必死さとかが欲しいと思いました