レビュー一覧

原作はブラムソン兄弟シリーズの２作目です。作中でヒーローが言っていた「亡くなった父の隠し子だったと主張する男」とは次作(最終作)『大富豪の秘密の相続人』(知原えす先生がコミック化されています)のヒーロー、JTのことです。話のほうですが、コミック版は原作からライダー、メイシー夫婦(前作の主人公カップル)の出番が削られたり、遺言執行人のピア(次作のヒロイン)のことが言及されなくなった点は残念なんですが、その代わりホテル支配人オスカーとヒロイン母の扱いが原作より良くなっている(例えば原作では簡単にすまされていたヒロインとヒロイン母の和解シーンの描き方)のは好印象でした。それに何といっても終盤のヒロインの歌唱シーンとヒーローの告白の流れです。あれは下手に描かれると単に唐突な展開に陥るのですが、今作は藍先生の画力と構成力のおかげで原作以上の説得力を感じられる最高のシーンになっていました。藍先生には感謝、です。最後に出版社に対する疑問なんですが、何でこのシリーズの翻訳は最終作から始めて１作目は後回し(今のところ未邦訳)なんでしょうか？

すっごく良かったです！結婚後の幸せな２人も見れて、こちらまで幸せな余韻にひたれました。記憶をなくしても自分を見失わず意思を通して行動し、ヒーローに対して一途なヒロインが魅力的です。きちんと記憶が戻って母親とも和解できたし、スマートにハッピーエンドになったと思います。所々クスっと笑ってしまう場面もあって、何度でも読み返したい作品です。

まりと先生買いですが、絶対にハズレがありません。一見クール、でも優しさと情熱を内に秘めた男性を書かせたら、先生がいちばん！(だと私は勝手に思ってます)今回もそんなヒーローと、記憶をなくしたジャズシンガーのヒロインのお話。ちょっとミステリー仕立ての冒頭にググッと引き込まれて、タネ明かしは案外早いんですが、ま、そこから先、まだまだ続くハーレクイン的な、胸キュンの愛の物語。そして、まりと先生お得意の名脇役が、やっぱりいい味出してます。ところで、名前だけ何度も出てくるヒーローのライバル。何やら複雑そうなヒーローとライバルの今後のバトルについては、もしかして続編かスピンオフありですか？

藍さんの描く自立したヒロインは本当に素敵。愛を大切にしながら愛に溺れないヒロインの姿勢が、愛を信じない・溺れたくないヒーローの心を動かす、王道のロマンス。今回も楽しませてもらいました。他キャラも出番が少ないのにしっかりキャラが立ってて良かった。特に支配人、最高です。

作者さん買いです。 記憶のことはたいした内容ではなくて、ただ人生をやり直そうと思ったヒロインとヒーロー弟が自分の持ち物を交換しただけでした。まぁ、ヒーロー弟は自分の持ち物ではなかったので、契約は無効になっちゃいましたが。悪役は出てこず、ステージママも嫌な人ではなかったです。最後はヒロインの歌がヒーローの気持ちを変えてハッピーエンド。

作者買いです。　ヒロイン母が最初は継母なのかと思った程でしたが…ちゃん娘を愛した母で良かったです。　ヒーローは複雑な家庭だったせいか中々のウジウジ系でした。　結局、背中を押したのはヒロインのお陰でしたね。

とても静かで美しい物語です。ヒーローはハーレクインのド定番、愛を信じない人ですが、傲慢ではないしヒロインを傷つけるようなことはしません。そしてふたりとも誠実で嘘をつかない。しっとりとしたおとなのお話です。

ヒロインが記憶喪失ですが、気丈に振る舞う姿に芯の強さを感じます。この作品に悪い人は出てこないのですが、ヒーローに物足りなさを感じてしまいました。

記憶を失くしても、ヒロイン本来の考え方や誠実さは変わらない素敵な女性でした。ヒーローは、ヒロインにある企みがあって近づきますが、彼が少しずつヒロインを理解し、自分も変わっていく様子がきちんと描かれていました。ストーリー展開もこのページ数で素晴らしくまとめられていました。ホテル支配人のオスカーが良い味を出しているし、ヒロイン母も結局は良い人だったし、読後感が良いです。時折、入るユニークなコマが効果絶大です。

さすがのまとまり方でした！ヒーローも記憶をなくしてしまったヒロインも自分をしっかり持っていて、流される事なく、感情的になる事なく、相手を思いやっていてよかったです。