レビュー一覧

作者を何度も確認しました。何度確認しても吉田玉姫さんでした。しかし、お話はアメリカのクライムサスペンス仕立てでまるで翻訳小説のような作品。デビュー２５周年だそうですが、納得の筆力。吉田玉姫さんの底力を感じる作品でした。これは是非読んでほしい。海外小説が好きな人なんかにはすごくお勧め。普段の雰囲気とは違うので今までの吉田玉姫さんファンはびっくりしてしまうかもしれませんが…。カルト教団に監禁されていた過去を持つ青年と刑事の物語ですが、最後まで読むと犯人側の心情まで描かれていてそれも切ない。最後もう少し二人の続きを読みたかったのだけが残念です…続編とかでないかな・・？うまくまとまってるのでもちろんこれだけで十分楽しめるのですが、キャラクターが魅力的なので続編がでたりしたらとても嬉しいと思いました。

流石、吉田先生の作品です。物語そのものはもちろん言葉の選び方が秀逸で前の方が書かれているように、海外作品の翻訳のように雰囲気のある作品でした。

現代ミステリーBL作品を描かれたのは初めてとのこと。たぶんそれでなのか、ところどころ論理的な伏線の張り巡らせ方、回収の仕方がもう一歩な感じでした。サイコな雰囲気はよく出ていたと思います。ただ、攻めと受けがあまりに簡単にくっついてしまうので萌えなかった・・・。受けが美形なのに口は悪い設定なので、もう少し攻めとぎくしゃくしたり反発したりする場面があった方が良かったなあ。でもおもしろかったです。

キチンと推理小説バリにストーリーが確立されていて良かったです。

割と早くから犯人に目星は付きますが哀しみと虚しさとこみ上げてきますね。小さな天使が人間としての幸せを見つけられたのが、救いです。

全体的に海外小説の翻訳物の雰囲気がしていました。特に冒頭部分は事件、事件で、登場人物も何人も登場。後半はいつもの雰囲気を感じるような甘い展開ですか、刑事物なので事件は最後まで続きます。挿絵が素敵でした。

生い立ちや状況の割にレイモンドに悲壮感を感じないのは言葉遣いのせいかな？イラストがなければ類稀な美形という気もしてこない。しかしこのハヤカワミステリー風な雰囲気好きです。

美人と一途ワンコの、サスペンス仕立てのラブコメ。犯人は早々にわかります。簡単にたくさんの人が亡くなるのに、シリアスにはなりません。リサとビルは死ななくても。。ご都合主義と言われようと、設定自体がファンタジーですし。先生らしい作品でした。