レビュー一覧

登山がお好きな作家さんらしく登山のシーンに結構力を入れて書いていらっしゃいます。登山に全く興味がない私はその部分のイメージがしにくかったですが作品全体としては面白かったです。佐和が小田切への気持ちに気付いてからのBLならでは葛藤(友情も大切だが恋情も抑えがたい)が堪らなく自分好みでした。ただ、星一つ減らしたのは二人ともノンケなのに初エチがスムーズ過ぎる。そして、場所は登山中のテント！佐和背中痛くない？小田切膝痛くない？下界より涼しいとはいえ夏だよね？汗掻いてるよね？なんか臭いそう。後始末も大変そう…みたいな事が気になってしまったから(BLはファンタジーなのよー！と自分に言い聞かせました)。後、始終佐和目線でのお話です。小田切目線も読んでみたかったな。

『あなたを好きになりたくない』から『恋してる、生きていく』と逆行してたどり着いた作品なのですが、良かった。それぞれ良かったのですが、3作品の中で一番登山の事を書いていて泣けた。クライミング経験のある人なら分かる道中の気持ちとか、笑。ロープでつなぐため本当に一蓮托生というか...海外で滑落して亡くなった場合そのままにして帰ったりとかね。スゴいところ落ちちゃうと遺体回収出来ずずっとそのまんまでその横登ったりする場合もあったり。自分にとって色々と記憶を揺さぶられる作品でもあり、またコロナが落ち着いたら登りに行きたくなる、山が恋しくなった作品でした。

クライマー･登山のお話。登山、自分には馴染みがないので取っ付き難いかなぁと思いながらも読み始めましたが、登山について知らない方にも分かりやすく書いてあります。読みづらさは感じませんでした。登場人物の気持ちやエッチの表現まで登山に例えられて書かれていてるという徹底ぶり(理性のロープとか、まだ５合目とか)。登山による心の繋がりがあるカップルがあまりにも男らしくて、これってもしかしてエロなしか？と思いましたが最後にちゃんとありました。よくある一目惚れで始まるBLとは違って、お互いの信頼度を強く感じる作品でした。

中々良かったです！攻めと受けの、距離が近づいて行く流れが、とても自然でした。山屋にとって、同等のパートナーがどれほどの存在か…。それこそ命を預け合う信頼関係を渇望していた2人が出会い、惹かれ、尊敬も友情も含んでさらにその先まで心を高め合って行く様が良かったです。健気受けで、冷淡から熱愛に変化して行く攻めなので、好きな人にはハマると思います！

山が好きなんだろうなぁ、としみじみと伝わってくるお話。景色の描写がとても丁寧で、目の前に浮かんでくるようでした。山男の2人が唯一無二のパートナーへと絆を深めていくまでの葛藤とか喜びとか、本当に良かったです。ここでのHシーンはいらなかったな…と思います。が、おまけで☆5。

デビュー作との事、少し流れが硬いかなとも思いましたが、背景をキッチリ描かれていて、登山にも興味がもてる、そんな作品でした。他の作品も読んで見たいと思いました。

木下けい子先生のイラストがピッタリの清廉な山男カプ。ノンケ×ノンケが惹かれあっていく様子にはドキドキしましたが、終盤、気持ちが通じあった途端にイタシちゃう展開は少し興醒め。

優しい気持ちになるお話です。山登りに行きたくなりました❗

おじさんの死がやっぱりここの底から抜けないんでしょうね。